漫画です。

兄弟でともに月に立つことを目指す二人とその周りの物語です。

先に宇宙飛行士になり月に旅立つ弟と、上司にヘッドバットをかまして会社をクビになった兄。

心理的な描写がとても上手く、読んでいる方をワクワクさせます。


この漫画はギャグ漫画的な要素もあり、しかし、一方でそのギャグは唐突なギャグに終わらないストーリーの中でのギャグ。ギャグが伏線になることも多々あります。そして、それが後のストーリーでの鳥肌を誘うこともあります。ギャグ漫画的でありながら感動のヒューマンドラマです。


社会の厳しさも伝えてくれ、大人にとって共感できることが多く、大人におすすめ出来る漫画です。





*注意*電車で読むのはお勧めしません。不覚にも急に笑いが襲ってきます。



宇宙兄弟(1) (モーニングKC)/小山 宙哉
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 前回に引き続き、「2時間でいまがわかる」シリーズです。タイトルが安っぽいです。民主党のブレーンである榊原氏と前回のブログ でも紹介した竹中氏の対談を朝生などでおなじみの田原総一郎氏が責任編集したものです。田原氏が両氏の見解の違いを引き立たせ、議論形式の記述が読んでいておもしろいです。


 両氏の意見の最大の相違は、本書のサブタイトルにもなっている「この国は破産なんかしない!?」というテーマです。

 榊原氏は、日本の国債残高は870兆円で、一方で金融資産を純資産でみると110兆円あって、あと200兆円は余裕がある。だからあと5年ほどはかなり大量の国債を発行しても金利は上がらず余裕があると述べています。

 一方、竹中氏は国債発行の歯止めがきかず、ある時点で国債に不安をもった投資家がいっせいに「キャピタルフライト」(資本逃避)をおこし、国債が暴落する危険性があると述べ、現に今、グローバルREITとか外債に対する投資が増えてきて円だけで資産を持つのは投資家が不安になってきていると指摘しています。そして、猶予期間はあと3年と述べています。

 しかし、榊原氏は、そのような「キャピタルフライト」はおこらず、日本が破綻するのは天が落ちてくるようなもので、絶対にないと述べています。とはいっても、このままではいけないので4~5年後には財政再建計画を作らなくてはならないと述べています。

 私は、竹中氏の意見に賛同ですね。財政再建計画の必要性はかなり差し迫っていると思います。危機は突然おこるものですからね。榊原氏は経済を線形的にとらえているのではないでしょうか。非線形的なモデルの方が現実の経済事象に即し、このモデルでは危機は突然生じ、その危機の大小は予測困難であるとされているので悲観的な想定をしている方がいいのではないでしょうか。非線形的なモデルについては

歴史は「べき乗則」で動く――種の絶滅から戦争までを読み解く複雑系科学 (ハヤカワ文庫NF―数理.../マーク・ブキャナン
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がおすすめです。



 面白かったのは、両氏の意見が一致していた、1.官僚の天下りの是認、2.日本の政治は素人政治で明確な経済ビジョンなし、3.党のガバナンスの問題、3点です。

 1.は両氏とも諸外国の事例を出し、民間企業も含め終身雇用慣行の緩和・中途入社の促進とともに、官と民の双方向的な人材の流動性を高めなければならないと述べています。しかし、これは非常に実現困難で、相当な覚悟をもった構造改革が不可欠です。。。

 2.については、両氏ともに呆れた感じで、他の先進国には明確な経済ビジョンのない国はない、と述べています。将来的に、国家の目指すべき姿を示し(国民の税負担割合なども含めて)、それに則った経済成長戦略等を示すべきだと。ちなみに榊原氏は議員の経済学の基礎知識不足をよく知っているそうです。細かい経済学のモデルは知らなくてもいいですが、基礎的な知識・理解は持っていてほしいです。怖いです。

 3.については、ある党員が言ったことをある党員がひっくり返したりするように、2.と同じく明確なビジョンがないことが大きな原因の一つであり、党の内部統制を構築し、まとまりを持てということです。内部統制を構築したとしても、その内部統制を無視できるような「大物」議員さんがいるのも厄介です。




 と、このように私なりに本書を読んだのですが、日本が破綻するかどうかは政治家に大きくゆだねられている以上、不安です。




田原総一朗責任編集 2時間でいまがわかる! 絶対こうなる!日本経済/竹中平蔵
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 かの小泉首相のときに閣僚として、その経済政策の手腕をふるった竹中氏の本です。この本は氏の主張をサポートする定量的な分析がほとんど示されておらず経済の専門書というより軽い読み物のような感じでサクッと読めます。なんせ、表紙に「2時間でいまがわかる!」と書いているほどです。


 さて、その内容ですが、氏の主張で私が印象に残ったのは

1.増税で財政再建を図ろうとすると失敗する

2.供給側の強化を軸に日本経済の成長戦略を描く

3.日銀の独立性は手段の独立性にすぎない

です。


 1についてはハーバード大の経済学者アルバート・アレンシナの実証研究で示された「まず増税から財政再建を始めた国は、必ずといっていいほど失敗している」ため財政再建のためにはまず公務員の給与等を削減すべきだと主張し、次に、「財政再建で成功した先進国は、歳出削減で減らした金額と増税で増やした金額の比率が、だいたい「7対3」か「2対1」になっている」ことを指摘しています。まず増税から財政再建を始めると、国民からの政権支持率が低下し、後の政権は減税をマニュフェストして成立するため結局は財政再建に失敗するのです。

 これについて、現在の政権はというと…

その支持母体を考えると公務員の給与削減は…

あぁ…

ですね。

 また、K首相はプライマリーバランスという言葉も理解できていないようです(国会答弁で誤った理解を披露)。

 さらには、バラマキ政策…。

 なるほど、現在の政権の方々が「左」だといわれていますね。

 

 そんな政権に期待…

 

 できない


 後付けになりますが、氏が歳出削減で強く主張していたのが年金と医療保険の改革です。要するに年金や医療保険を高所得者に対しても支払う必要はないということです。

 納得です。現役世代だからといってビンボーな者から高所得者の老人等にお金を再配分するのは「最小不幸社会」でしょうか。


 次は、2についてです。

 氏は供給側を規制緩和等で強化すれば日本経済は再び成長できると述べています。しかし、現政権はバラマキばかりで需要側の対策ばかり。エコポイントもしかり。需要の先食い。そうではなく、新しい技術、技術革新を促すような政策の必要性を説いているのです(実質成長率は成長会計の観点からは、1.資本の伸び+2.労働の伸び+全要素生産性TFPの伸び、で決まります)。

 新エネルギー促進計画がこれに見合うものとなることに期待…

 

 できるだろうか。


 この2の供給側の規制緩和で1つとても気になったことがあります。

 移民受け入れによる現役世代の拡充を主張していたことです。

 先日のノルウェーでのテロは移民政策に対する不満から生まれたとの報道がありましたが、これを考えると問題が一気に難しくなってしまいます。インフレ率を適当な水準にして国民の生活を安定させるためにはある程度の失業率は致し方ないというのが経済学の考えにあるのですが、移民が増えたせいで失業率が上がったと考えば自国の民族の不満も高まりますね。これも何らかのサポートがいりますね。上で述べた、年金の再配分問題とあわせて、私はベーシックインカム、負の所得税を導入して、年金制度を廃止することを望んでいます。。。

 だけどまぁこれは期待できません。なんせこの場合の既得権益層は手ごわいのですから。これを実行できるためには相当のリーダーシップがいりますね。



 最後は3についてです。

 私はこれまで、経済知識の劣る政治家が専門家である日銀に口出しするなと思っていました。しかし、中央銀行の独立性という場合、政策目的の独立性と政策手段の独立性があるようで、諸外先進国の中央銀行の独立性は後者のみであるそうです。それに対して日銀は両社の独立性を主張しています。私もそう思っていました。中央銀行が政策目的の独立性を持つと、国益を第一にではなく、日銀のバランスシートを拡大したくないという思いがでてきて、また、政府の政策との整合性の観点からもよくないのです。この点については、竹中氏は日銀はインフレ率の目標を1~2%にして国債等の買い入れによりバランスシートの拡大を行い、マネーサプライを増やす、そしてインフレに持ってい行くというリフレ派なのですが、アメリカのQE1,QE2が世界経済にもたらしたマイナス面をどう考えているのでしょうか。それは書かれていませんでした。

 まぁどちらにしよ、私は現政府に日銀の政策目標を決めさせるのは怖く思います。閣僚に経済の専門家がいるのなら話は別ですが。





以上のように、竹中氏は小さな政府を主張し、自助自立の経済運営を求めています。

しかし、氏が前首相のハトさんに対しては、この自助自立の経済運営は土台無理な注文だと指摘しています

というのも、ハトさんはお母さんから毎月1500万円のお小遣いをもらい(そういえばこんな報道がありましたね)自分自身が自立していないのですから。


2時間でいまがわかる! 日本経済こうすれば復興する! (2時間でいまがわかる!)/竹中平蔵
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