時々話題になるロードバイクのフレーム。
それの素材ごとの耐用年数ってどうなん!?
って話題ですが、ツイッターでそういう話題が出たので簡単に個人的な見解を書きたいと思います。
まずはツイートの内容を簡潔にまとめると
・クロモリフレームは約50年
・カーボンフレームは約15年
・アルミフレームは約5~10年
どういう根拠なんだろうw
クロモリがそんなに保てるという事は野ざらし・半屋外での保管は絶対にないという前提ですよね。
カーボンフレームの天敵は紫外線です。
塗膜が元気なうちは随分マシでしょうけれどUVカット塗装じゃないので影響はゼロではない。
どれだけ暴露しているかの時間数でも寿命は変わると思います。
アルミが短いのが謎。
ここで「性能的に美味しい時期」だと解釈すると納得がいきます。
でも、ひとつだけ意義を唱えたい。
それはクロモリフレーム。
バリッバリの競技フレームで、最先端のカーボンフレーム相手でも優位に立てる攻めた設計かつ高剛性な鋼管を使っているフレームは「美味しい時期がとても短い」と聞いた事があります。
自分で使ってないのでなんとも言えませんけど。
同じ事がアルミフレームにも言えて、攻めた設計のカーボンキラーと言われているアルミフレームは面外方向の力に滅法弱くて、ちょっとした力で容易に凹むフレームもあります。(肉薄な証拠)
そういうフレームは溶接部の見えない極小さな破断も早い時期に訪れるリスクありますし、新品の時の性能は早期に失われる恐れがあります。
そういう意味でアルミフレームの耐用年数が5~10年と言ってるんでしょうか。
そういう意味なら、クロモリフレームは攻めた設計じゃないモデルで大事に保管されたフレーム。再溶接も技術を要するけど現実的にできるモデルなら、耐用年数の長さは納得できます。
そういうフレームじゃなく、クロモリフレームという範疇でハイエンドスペックからエントリーモデルまで全てひっくるめて言ってるのであれば「形が保てる年数」なら納得です。
じゃあ、そういう理論をアルミとカーボンに当てはめると?
表現されている耐用年数は短いと言わざるを得ない。
形が保てる前提なら、もっともつと思うんですよね。
乗って進む、楽しい時期で言えばどのフレームも乗り方や走行距離にもよると思いますし、保管状況やメンテ内容にも左右されますが乗り込めば乗り込むほど耐用年数は短くなるんじゃないかと思います。
ホイールもそうですからね。
走り込んで、負担かけるとスポークはじわじわと伸びていきます。
増し締めは維持する上で必須です。(なのでネジロック剤でニップルをこれでもか!って固定してあるホイールは本当にわからないw)
BontragerのAeolus RSL系のホイールなんてネジロック剤塗って無かったですよ。(調整・メンテ前提の組み方。レース機材としてはそれが正しいと思います)
初期性能は失われても、乗っていて楽しく、乗っていて走行に問題がなければいつまでも乗っていて良いと思うんですよね。個人的に。
レース出るワケじゃないならですけど。
そういう意味で賞味期限が長いのはエアロフレームじゃないかと思わなくないですw
あれはフレームの弾性や剛性が初期性能失われて経年により何分の一かに落ちても、買った当時の最先端の空力性能は「形状なので」失われません。
そういう意味で、エアロフレームはまだ救いがあるのかなと思います。
こういうのは追い出すとキリがないので、本当に走行していて問題ないなら
あんまり気にしない方が良いような気がしますw
クルマだって、初期性能にこだわると一体どれだけの車が長い年月その性能を保てるのか?って考えると、まるで底なしの沼に落ちるかのような錯覚を感じるのは私だけでしょうかw
※MAVICのサービスカーに乗って選手のサポートもしたりしている…
元選手の方で、海外までレースしにいっていた方が某SNSのフレンドにいらっしゃるんですけど
その方が私に教えてくださいました。
当時、ツールで使ったプロ用アルミフレームで、「2レースが限界」のモノがあったとか。
ペラッペラの極薄フレームでとても軽かったけれど寿命はとても短かった。
と、教えてくださいました。
この話を聞いて、なんとなく今の攻めてる設計のアルミフレームはツイートの様に「美味しい時期が短いのかもしれない」と思いました…ある意味、アルミフレームが一番贅沢な乗り物かも知れませんね。
長く乗るなら、カーボンのミドルグレードが一番良いんでしょうかね~。
フレームがごっつ長持ちしても、コンポーネントの規格がどう変わるかで維持のしやすさが変わってくるだろうから…
耐用年数という意味では20年もてば超がつくほどの御の字でしょうか。
それくらいの維持年数になると、確実に要るのがスペアホイールですね。
ホイールの寿命の方が先に訪れそうです。
特に今のハイエンドスペックのホイールは、寿命が短いような予感がします。
2018年頃に私はロードバイクを始めたのですけれど、それからわずか四年でリムハイトが40㎜前後のホイールで従来から存在していたスポークなどを使っているのに「ライトウェイトもかくや!」という軽さを実現したホイールが結構出ています。
そして、空力で言えばライトウェイトさんのオーバーマイヤーよりは優れているんじゃないだろうか?
直接比較した事がないので、はっきり言って見た目で発言していますけれどw(失礼)
例えがアレですけど、そういう風に驚異的に感じる引き合いとしてライトウェイトのホイールは今なお凄まじいと私のような素人でも感じている…と解釈してください。
話しが逸れましたが、それくらい軽いホイールが割と出てきています。
フックレスモデルとかも含まれますが、普通にフック付きのモデルもあります。
そういう製品がどこも過剰に攻めた設計になっていないのか?
必ずどこか攻めた設計になっているはずです。
今はメーカー名伏せておきますが、某メーカーの軽量かつ手で触った感じもカーボンリムらしくなくガッシリしているリムなのに、剛性あげようとしてスポーク増し締めしていくと、リムがポコッと膨らんでしまって「え…終わりかな…コレ…」ってホイールが存在します。
また、剛性の高さとバランスの良さで定評のある某メーカーのホイールは、条件が揃っちゃうとリム内周からクラック。
それも「あ、割れてる?」って疑問持つようなクラックじゃなくて、はっきりと目視でわかるくらいぱっくり割れる事例がいくつか報告されています(興味ある方はググってみてください。今でも検索に掛かると思われます)
非常に多くの場合は大丈夫なんだそうです→リム内周からクラック。
個体差も条件のひとつだと思います。
生産する上で、それぞれに多少差が生まれるのはしょうがない。
誤差なくモノ作れるワケがないもの。
でも、その誤差が悪い方向に行っても耐久性を持たせるように設計するのがセオリーなんですけれど
あくまで「レース機材」
最悪の場合は、1レース持てば良い。
そういう割り切りもあるんじゃないかと思います。(個人ユーザーはそんなん割り切れるかい!って感情を持ちますけどw)
レース機材として真っ当だと思います。勝つ為に。
某メーカーのホイールに使われているハブは、有名メーカーのインナーメカを使ってハブボディはオリジナル。
その流用しているインナーメカが採用するベアリングサイズを敢えてワンサイズ落として使用しているホイールがあります。
ベアリングが小さくなるという事は、ベアリングに掛かる負担が相対的に大きくなるのでベアリングの寿命は従来よりも短くなりますが、鉄球(もしくはセラミックにしても)が小さくなる、ベアリングを受けている椀の方も小さくなるという事はg単位で攻めた軽量化を施しているホイールにとって「無視できない軽量化」になります。
ベアリングが逝ったら新品と交換したら良いやん。
それよりもそこで数g重量削れるなら、削ろうぜ!
という設計。
これをどう受け取るかで印象はかなり変わりますよねw
レース機材としては、正しいと思います。
でも、このベアリングの話しも既にもう数年前の話題です。
この話題になっているホイールがデビューしたのって……たしか2017年ですよ。
もう五年も前の製品でもそこまで攻めた作りになっています。
これを読んでくださっているみなさんも使った事があるだろうホイールでもあります。(それくらいメジャー)
リム内周からクラックが入るホイールも、結構な人数の方が使っていると思います。
価格が価格だから、むちゃくちゃたくさんの方が利用しているワケではないだろうですけれど。
なのでリム内周から割れるという話題も、どこかひっそりとしています(発言する人も少ないし、実際におきた事例も少ないだろうから)
年々、発売されるロードバイクは確かに速く、強く、軽くなっていっています。
ツイッターでつぶやかれたのが元の話題ですけれど、耐用年数って意味では確かにどうなんだろう?
と思わせる良いきっかけとなりました。