大抵の車種は、電動スロットルが標準採用されていてユーザーが操作できるアクセルペダルは電気的なスイッチになっています。
それ以前のワイヤー式でスロットルバルブをちゃんとコントロールしていた頃のアクセルペダルでも、大抵のクルマはスロットルバルブを駆動するプーリー部分を偏芯させるなどして、最初からわりとガバッとスロットルバルブが開くようにセッティングしてあるクルマが多かったのです。
なんでそんな事をするのか?
低速トルクが細いからです。
低速トルクが細くても別に良いんですよ。
出足がもっさりになる?
鋭い出足も魅力的ですけど、毎回そんな雑な出方で良いですか?w
でも、出足の俊敏さを求めるユーザーさんが多い。
サーキットなどでクルマの限界挙動などを学びながら操縦できるほどの腕前はなくても、そういうのを好む人が多い
なので、メーカーはクルマが売れないといけないから、それがあまり良くないとわかっていてもガバ開きセッティングでクルマを売る。
そんなに出足にも拘ってないし、クルマは走ればなんでもいい。
という人も、知らず知らずのうちにガバ開きセッティングのクルマに慣らされて「それがフツー」になっちゃう。
しっかりとメーカーの良心から、アクセルの微妙な開き具合からそろ~っと普通か普通以上に普通に走れるクルマに乗った時に、「このクルマ、出足が微妙に良くない。フツーじゃないよ!」と言う。
かわいそうw
だからちょっと雪降ったりして路面が少し不安定になるだけでスタックする人とか出てくるんだよ。
そろっと出れたら走れたかもしれないのにね。
そんな極端な例はさておいて、なんでそんな事を書いたのかというと
私はそういう意識が最近はなかったんです。
981ボクスター→マカンSと2台ポルシェ乗り継いだ事もあって、普通ではない普遍性を持った良い体験を5年ほどさせてもらっていたので、こういうのを忘れかけてました。
じゃあ、なんでそういう事を急に思い出したのかというと…
マカンを運転されたある人が、「君が運転している時は速かったけど、私が運転するとちょっともっさりだったよね」
みたいな感想を言われたんです。
それは、普通なんですw
微妙にしかアクセル開けなければ、そろ~としかクルマは進まない。
当たり前なんですw
マカンSでちょっとアクセルペダルを半分ほどストロークする量と勢いで操作してみてください。
大抵の車のフルスロットルくらい加速しますよ。
その状態でブースト計見てください。
それでもまだブーストは「0.0bar」のままです。
今度はアクセル2/3くらいガバッと開けて加速させてみてください。
2秒もそれを続けたらダメです。
すぐに制限速度の60km/hを超えてしまいます。
その状態でもブースト計みてもらったらわかりますけど、ブースト圧上がっても0.1~0.2barくらいです。
この加速を味わえるアクセル開度までの、0~半分、もしくは0~2/3までの間に、そのストローク分だけきっちりとスロットルバルブをゆっくりと開く「操作しろ」もしくは「調整代」があるんです。
これがあるから、身体が疲れてしんどい時や、体調が少し優れない状態でも車が常にイケイケじゃないからリラックスして走れるんですよね。
長距離を走っても(私、マカンで1日850kmくらい走った事があります。それもロードで110km以上走った後で)全然疲れないのはソコなんですよね。
私の知り合いの人の奥さんが、マカンのこの微妙な調整ができる操作性に「出足がもっさりや」と感想を言われて、マカンにスロコン入れようとしているのを耳にしましたw
マカンでソレやったら危険ですw
さっき事例で書きましたけど、ブーストが負圧からきっちり0.0barになる領域でもギア比の妙とブーストが掛かってなくてもきっちり走れるエンジンの地力で普通に街中の流れをリードできるどころか、ちょっとキチガイじみたアホなヤツみたいに加速します。できてしまいます。
アクセル2/3も開けたら、珍走団丸出しなキチガイな走りをします。
スロコンでそのゆったり(普通に)走れる領域を狭めるんですよ!?
正気の沙汰じゃねぇw
スロコン入れる前に、マカンSで全開踏んで十三峠とかを破綻なくアタック走行できるか否か試してからやった方がいいと思います。
普通じゃない方が普通になりつつある現代。
とても普通に走れる良い個体を手に入れておられるのに、普通じゃなくす改造をしようとしているw
まぁ別に良いんですけどねw
個人の自由なので。
でも、もったいねぇなぁ…w
と思った次第です。