私は元々とても車が好きな人間でした。
でした、って過去形はおかしいなw
今も好きですw
ただ、今は乗る機会が少ないのが悩みですが。
バッテリーとばさない程度には乗ってます。
乗る時はカーボン蓄積させないように、なるべく長距離で高速道路を使って3000rpm巡航などを心掛けて乗ったりしてます。
長距離と言ってもロードで半日乗って走る距離と大して差が無いw(=60km前後)
というあたりに最近の私の変態性がうかがえますけれども。
それはさておき、そんな関係で車に関する技術的な要素で、ハイドロフォーミング製法という技術を見聞きする事があります。
2つ前のモデルになるんですが、C5と呼ばれる型式のコルベットがデビューした時に話題になったのが、新たに設計されたアルミ製の軽量かつ高剛性なフレームシャシーを…という話題でした。
必要なところには必要な肉厚を。
そうでないところには肉厚を薄く配置し、最適な剛性配分となるように複雑な断面形状を今までの技術では形成不可能だったものを、油圧を利用して特殊な型にアルミ材を通しながら成形していく事で従来では不可能だった一本の型材で様々な特性を持たせた構造材を…
という技術がハイドロフォーミング製法というらしいです。
雑誌でそんな記事を読んで「ふーん、すげぇなw」くらいのハナシだったんです。
実際に友人がC5コルベットを購入して乗せていただいた時に、アメ車らしい鷹揚さを感じると同時にアメ車らしくなく、しっかりと曲がる・止まる。
なども実感させていただき、今までのコルベットもアメ車としてはしっかりと走るクルマだったけれど、今度のモデルはひと皮どころか二枚か三枚くらい上手になったなぁ!(失礼w)感心したのを今も覚えております。
凄い技術が出てきたモンだ…と、感心すると共に
よほどの事がない限りはボディ外板に隠れて直接目にする事がないのと、雑誌記事でその複雑な断面形状を写真で見ても現実感が持てなくて自分には縁遠い技術?くらいのイメージでした。
それが、今回のSpecializedのアルミロードを購入した事で、むっちゃ間近でそのハイドロフォーミング製法で形成されたロードバイクのフレームとして見れるじゃないですか。
表面から見るだけでもアルミというか、金属でここまで複雑な形状をつくる事ができるのか!?
雑誌やウェブ記事で散々Allez Sprintを見てカタチ自体は写真を通じてなんとなく認識していたけれど、実物を見るのとはまた違いますよね。
実際に実物を見て、いろんなところをマジマジと見て感動しました。
こんな形状をカーボンの様に型に積層していく生産方法なら、複雑でもまだ現実味があるけれど、一定の形状を最も得意とする金属系の素材でここまでややこしいカタチを作る事ができるんだ。
それも、わざわざパイプ同士が集合するところで溶接するんじゃなく、受け側の部材の方からお迎えの部材を出して、支点位置での溶接を避けている!のに驚き。
私は建築系の仕事をしているので建築に例えたら、柱と大梁の剛接と似た考え方で応力集中するところでは接合位置を避けるという合理的な考え方で軽く強く作る為に物凄い工夫されているなぁ!と感心しました。
(接合に関しては、その部材断面と同等のチカラを発揮するように勿論設計するんですけど、もともと一本の素材と接合部では似た強度は出せても深いところでの物理特性を全く同じにできない(変形率とか変形する際の形状など)為に、応力が集中するところでの接合はセオリーとして避けます)
その受け側の部材の形状なんか特に金属素材の特性から普通に作ったら非常に手間とコストの掛かるインゴットからの削り出しとか、従来の工法だとそういう大袈裟な事をしなくてはならない。
ハイドロフォーミング製法自体も生産設備とか考えたらソレだけで大袈裟ですけどw
こんな複雑なカタチをハイドロフォーミング製法で形成して、アルミ離れしたフレーム形状を作るってすげぇな!
と、頭では知っていたけれどその素晴らしい技術を目の当たりにして感動しました。
ぶっちゃけ、TREKのemonda ALRというアルミロードの場合はロストワックス製法も利用して、まるでカーボンロードか?
と見間違うほどの綺麗なフレーム形状をしています。
あちらのフレームも、詳しくは知らないんですけどハイドロフォーミングも一部使ってるだろうなぁというカタチしています。
最近のロードバイクは本当に凄い。
うまくまとまりませんでしたがw
アルミだからカーボンの下。
というワケではないんですね。
ハイエンドなフラッグシップモデルになると、求められる性能が様々な要素で劇的により高難度な要求になってくるので、今のところはカーボンフレームが一番適しているのには間違いないんだと思います。
この先10年くらいはまだカーボンが優勢な時代が続くと思います。
でも、こういう物凄い技術を目の当たりにすると、いつかはカーボンも駆逐される日が来るのかな…?
と、ぼんやりと思いました。