ボクスターを所有した事を通して知った事をまとめたいと思います。

ボクスター…というよりは、ポルシェという会社の作る車へのポリシーや凄さという事実を書きたいと思います。

 

1>ボディ剛性

普通の車(スポ車も含む)の場合、例えばタイヤがパンクした→車載ジャッキでジャッキアップ→パンクしたタイヤとスペアタイヤを交換。

こういう場合、左前輪を交換したくてジャッキアップしたとします。

雑誌とかで「先代モデルよりもボディ剛性が○○から捻じりで60%剛性UP!曲げで100%UPした」とか謳われている車などに関してもそうですが、概ね殆どの車はジャッキアップしようとしている左前輪しか上がらないじゃないですか。

これって「相当車体が捻じれている」という事実なんです。

捻じれる=剛性足りてない

(剛性とは元の形を保つチカラの事を指します。元のカタチを保ててない時点で剛性が足りて無い。)

ポルシェは違うんです。

空冷の930とかナロー時代から、左前輪をジャッキアップすると左後輪も上がるんです。普通に。

今の30数年前のモデルよりも、もっと剛性が上がってる水冷モデルは当然の様に上がります。

すなわち、私なんかがそうだったんですけど「今までソレが普通。アタリマエと思っていた事が普通じゃなかったんだ!」という驚き。

 

2>コーナーウェイト

よく、前後重量バランスが大事。

とか雑誌で見ますし、比較動画なんかでもBMWは前後50:50だから気持ち良く走るね~!とか見たり聞いたりします。

ポルシェの場合はどうか?

エンジン後ろに積んでるので、思い切り後輪側が重たいです。

ミッドシップシャシーであるボクスターですら、若干後ろが重たいです。(ただし市販ミッドシップ車両の中で最も優れた前46:後54という比率です)

911に至っては、前38:後62くらいだったりしますw

じゃあ、そんな不利な重量配分の車が何故あんなに綺麗に走るのか?

後ろにエンジン積んでいる関係で、RRである911は回り込むようなコーナーは物理の法則に逆らえず、やっぱり苦手です。

そういう弱点はあるにしろ、優れた運動特性を常に示します。

ミッドシップであるボクスター・ケイマン系は、登り勾配だろうが下り勾配だろうが常にわかりやすいハンドリングを示すので、不安がらずに気持ち良く走れます。

話しが逸れましたが、なぜそんなに不利な重量配分な車なのに、綺麗に走れるのか。

答えはコーナーウェイトにありました。

純正の出荷状態で、左H車の二輪駆動モデル(RR)なら、運転席側が若干軽くなるように設定されてます。

後輪側は対角線が軽くなるように作られています。

何故か?

ドライバーが乗ると左右バランスが良くなるように設定されているのです。

それは、930だろうが964だろうが993だろうが996だろうが…

年代問わず、連綿と続く設定です。

ただし、そんな911系でもカレラ4やカレラ4SなどのAWDモデルは、コーナーウェイトは左右均等です。

AWDという「スタビリティ」を持つシャシーの性格上、そういったセンシティブな設定をせずとも十分に走るという性能があるからなんでしょう。

 

初代NSXは、コーナーウェイトを計測すると、911とは逆に運転席側が若干重いw数値が出てたりします。

全部が全部じゃないかも知れませんが、ベストモータリングの特集で1998年くらいの動画だったでしょうか。

911が何故あんなに走るのか?的な企画で、964から993、最初の水冷996までが登場してまして、その動画内でもコーナーウェイトの計測データが登場しております。

その際に比較としてNSXなども、コーナーウェイト計測値が出てました。

右側が少し重かったです。

たまにネットなどでNSXに乗ると右と左で曲がり方が違って感じた→そんなのテメェが下手くそなだけだろ!

なんていうやり取りを見た事がありましたが、あれは本当だったんですね。たぶん。

 

えらく長くなったんで、本日はこの辺で。

それにしても、私も大変多くの事を勘違いしておりました。

911に、改めて乗りたくなってきました。

もっと知りたくなってきました。