モジュラー設計って言葉をご存知ですか?
何にしても、専用設計でモノを生産していては、コストが嵩みます。
特に自動車の産業において、昨今の要求される「環境性能」や「安全性能」に加え、高度に要求される「メンテフリー化」なども踏まえると、それぞれの車種に合わせた設計をしていると、とてもじゃないですけど研究・開発費がペイできるわけもありません。
そこで冒頭のモジュラー設計という手法の話題に繋がります。
例えば、それぞれの車の「大きさ」に合わせてシャシーの土台となる部分を(シャシーの時点で土台なんですけどwすみませんw)設計し、後は要求される性能などに合わせて上屋を挿げ替えるとアラ不思議。
1種類のシャシー(土台)から、コンパクトカーやコンパクトセダンやコンパクトSUVが生まれる!
もっと言えば、カムリやハリアーやアルファードが生まれる!!みたいな感じです。
ちょっと前までのアルファードはガチでカムリベースでしたw(初代と二代目くらいまで?その後は知りません)
そんな感じで研究・開発コストを1つのベースから多くのニーズを満たす為に、多車種を生み出して販売し、コストを吸収する仕組みを作る事で、我々ユーザーには高騰するコストから発生する「車両価格代」を少しでも抑えて現実的な値段にする様に、実現されているのです。
なので、何もモジュラー設計が悪い点ばかりじゃないんです。
ですが、911となると話しは別です。
911はこんな時代にも関わらず、メーカー努力の賜物で専用設計を貫いてました。
ポルシェという会社自体が傾くほど経営が悪化しても、なんとか切り抜けて現在の好調に繋げた上で、さらに専用設計を貫いていたのです。
ただ、911は専用設計と言っても、兄弟車として「ボクスター・ケイマン」という車は存在します。
まずは911という優れた生い立ちからしてスポーツカーがあって、それらのコンポーネンツを流用するカタチで弟分であるボクスター・ケイマンという、これまたスポーツカーを作っていた為にこちらの弟分も生い立ちからしてスポーツカーであった。
911という優れたベースを持つが故に、生まれた時から優れた素性を持っていた。
などのいいところを受け継いでいた。
それらが広く受け入れられて…と、ポルシェのヒストリー的なハナシは置いといて…w
現在、販売されている現行モデルである991と981(マイナーチェンジ後の982と言われる718)までは、こういう成り立ちでポルシェが作るスポーツカーは、スポーツカーたる為にスポーツカー用のシャシーを贅沢に設計されて、生産されてました。
実際に乗ったり触れてみると、言葉で表現するのは難しいんですが素直で乗りやすいのに楽しい。
こればっかりは文字にしてもアタリマエの言葉しか並ばなくて、上手く伝えられないッスねw
それはさておき、とうとうそんな「聖域」にもメスが入っちゃいました…。
次期モデルである992という型式になるであろう新型911は、もうポルシェ社が911の為に設計した専用シャシーじゃないみたいなんです。
MMBと呼ばれるVWグループ内のスポーツカー用にモジュラー設計されたシャシーを使って911を生産するみたいです。
ランボルギーニも、アウディのR8も、このMMBから生まれるそうです。
今までも、ランボルギーニのウラカンとかV10搭載モデルは、アウディのR8と同じシャシーで設計されてましたし、V10エンジンに至っては完全にアウディ製のエンジンを流用してましたw
でも、アライメントを含むセッティングの妙でランボルギーニらしさであったり、アウディらしさを演出していて実際に乗ると別物みたいな感触があったらしいですが…(私はそんな高級車を乗り比べられる人間じゃないのでw聞いた話しです)
でも、それって演出でしょう?w
根本的には同じモノ使ってるんだから、正しいセッティングをしていけば…最終的にはほぼ同じか近い乗り味になっちゃうでしょう。
たぶん。
まぁそれはさておき、そういう事実を知ってから次期型911のスパイショットを見てみるとですよ…
とりあえず「大きくなっちゃってる」
出てきて実物見ないと何とも言えませんが、見た感じ911が車幅2000近くになっちゃってる…様に見えます。
また、お尻まわりが妙に高い。
なんで?
エンジン搭載位置が上方へ嵩んじゃったの?
としか思えないほど、不自然にお尻まわりのボンネット高が高くなっちゃってたり…
空冷エンジンから水冷に切り替わった時以上の抵抗感がありますよ…なんか。
そして、贅沢な専用設計最終モデルという事で、現行の991型の中古車相場とかエライ事になりそうですな。
991型ですら、NAの911GT3RS(後期)でニュルブルクリンクを6分46秒?とかでラップしちゃってます。
もう異次元の世界です。
なんで991世代でそんなところまで攻めちゃうんだろう?
とちょっと不思議に思ってたんですが、理由は次期モデルが流用シャシーになっちゃうから、出来る事は今の内にやっちゃっておこう!
という事だった…という筋もあるかも知れませんね。
ポルシェのやる事だから次期モデルも速いんだろうし、乗り味も良いんだろうけど…
実際はどうなんだろう?なんて勘ぐっちゃいます。
とりあえず騒がず大人しく待つしかないですね。
そして、私の場合は911でもないボクスターなんですけど、それでも最後になっちゃったかも知れないポルシェの専用設計シャシーを持つボクスターで、かつ最後の水平対向6気筒のNAエンジンを積んだモデルを所有できて、運が良かったな~…
なんて気が早いものでそう思っちゃってますw
特に911も991でそうなっちゃいましたけど、7速PDKベースのマニュアル操作できるトランスミッションになっちゃって、本当のマニュアルトランスミッションを積んだ最後のモデルに981や718系ボクスターはそうなっちゃったかも知れないんですが、そういう意味でも今後貴重になるかも知れません。
そんな噂が立つ前の現状の相場でも、981系のボクスター・ケイマンは2700ccのベースモデルで「MT」なら、だいたいですけど540万~590万で売られています。
走行距離が少なく、人気のOPとボディカラーの車は掲載されても一瞬で売れていきますが、そんな車は強気の600万↑が相場ですw
私が購入した時、もっと安かったですよw
そういう面でも、私は非常に幸運でした。