早いもので、ボクスターを手に入れてから2年経ちました。
車検をお願いするついでに、足回りを純正オプション足であるスポーツシャシーに変更。
これはショックアブソーバーとバネだけのキットではなく、専用のスタビライザーまで付いてくるオトクなオプションです。
車高も20mm下がります。
次に社外品なんですけど、OS技研のスーパーロックLSDを組みます。
両方とも、私よりも先に981ボクスターに乗っていた先輩より譲り受けた品物です。
そのおかげで相場よりもかなりお安く手に入れる事ができ、非常に助かりましたm(__)m
ついでに素ボクスターの弱点でもある、リア廻りのブレーキエアフロー。
ボクスターS以上のモデルになると、純正でブレーキをクーリングするパーツが付いてくるんですが、素の2700ccモデルのみフロントまわりは付いてくるけれど、リア廻りは何故か省略されてしまっているという…w
導風板が無いという事実+PSM(ポルシェスタビリティマネージメント)という電子制御により、リアブレーキを随時コーナー内輪側などを作動させて安定性を担保すると共に、疑似LSDの様な働きをもたらす制御の為に通常の車よりも運転者が意図してない時に制御が介入し、それが原因でブレーキ周りの温度が上昇→冷却が追いつかずにベーパーロック現象(か、それ気味になってクーリング走行)
これは981系の持病と言いますか、PSMを車内のスイッチを長押しすることで「OFF」には出来るんですけど、表示上はOFFでも介入の閾値が下がるだけで、最終的には介入してきます。
PSMによるブレーキ作動が原因によるベーパーロック現象はずいぶんマシにはなるとは言え、岡山国際を5周くらい?も攻めたら、もうベーパーロック気味になります。
これがボクスターSやGTSなど、上位モデルになると最初から導風板が付いてくるんで素よりは冷却性能が高い為に、より周回できます。
これらを根本的に改善する為に、リアブレーキまわりの導風板も導入します。
ついでに導風板だけでなく、ダクトも引き込むかもです。
(これは相談中)
あとは細かいところをモロモロ…調整とセッティングをして次のサーキット走行が楽しみだな…っという感じです。
そんな感じで作業をお願いしに車両を預けにしきましたら、なんと代車が…!!
最後の空冷993型の911でした!!
911カレラ2というベーシックなモデル。
できればMTで乗りたかったんですけれど、これはティプトロニックと言われるトルコン式のAT車両でした。
こんなん借りていいんですか!?って驚きました。
まぁでもしかし、嬉しいとは言え慣れないクルマだし、代車だし、楽なATで良かったかも?
とそんな程度の気持ちでお借りして乗ってみたら…
想像以上に素敵なクルマでした。
程度が極上って事もあるでしょう。
本当の純正状態か、それに近い状態のいい状態の993って初体験だったんです。
以前、964カレラ2にも乗せてもらった事があるんですけど、それが想像以上にスパルタンなクルマだったんですよ。
なのでそのイメージも持ちつつ乗って見たら、意外や意外。
随分洗練されていて、ゆったり走っていると癒されている気持ちになるほどの落ち着いた走り。
これは911マニアや空冷ファンの方からすれば、物足りなさに繋がる要因かも?です。
そういう漢らしい乗り味を期待して乗ると肩透かしを受ける事でしょう。
また、随分と乗用車チックになってしまった、ともとれるかもです。
ですが、そんな空冷のスパルタンさを垣間見た程度の男である私や、そういうのはあまり期待しないという人にとっては、993の洗練され具合は快適性とスポーツ性とモロモロのバランスがちょうどいい塩梅なんじゃないでしょうか?
そして、洗練された…とは言え、間違いなく背後で回転しているのは空冷エンジンです。
普通の車より、エンジン回して走ってるどー!って感触が964やソレ以前のモデルよりは希薄とは言え、間違いなく搭載されているのは空冷FLAT6です。
空冷FLAT6らしい剛毅な感触を伴った回り方で、軽くない車重を軽々と加速させていきます。
ターボ車の様な暴力的な加速のさせ方じゃなく、NAらしい自然と柔らかく伸びやかに加速させていきます(伝わるかなw)
そして、今回おかりした個体がATという特性もあいまって、非常に低い回転数でトントントンとシフトアップしてスムーズに加速してきます。
普通に街中の交通をリードしながら走るのに2000rpmも回ってたら十分でしょうか。
カタログなどの数値を見て驚いたんですけど、一応カタログではMAXトルクは5000rpmで発揮するとあります。
マジで? カタログ数値はホンマなん?wと正直驚くほど低回転から力があります。
そして私が乗ってる981ボクスターよりも安定しているんでしょうね。
速度感があまり感じられずにスルスルと車速を伸ばしていきます。
でも、だからといってGT的な走りではありません。
車重がある割に(多分1400kgくらい?)軽快に走ります。楽しい。
簡単にまとめると、非常に熱くエンジンは回ります。
イマドキのエンジンと違って「ボンボンボン!」という感じで。
かと言ってスムーズじゃないワケじゃないんですよw難しいです、表現が。
そして優れたボディ剛性とサスの剛性も素晴らしいのとで、素敵な乗り心地なのにしっかり張りのあるコシを感じられるコーナリングで安心して踏めます。
ブレーキはきっちりと踏力が要るタイプ。
いわゆるレンガタッチに近い、とても良いフィーリング。
初めて乗るのに一度もカックンってならない。素晴らしい。本当に。
良いモノ感満載で、こういう車でのんびりと街中をコトコトと走りたかったんだよな、と自分の嗜好を再認識させてくれるくらいいいクルマでした。
まだ実際にじっくりと乗った事がないんですけど、例えばフィアット500のツインエアのMTあたりを買って、のんびりと癒されながら、しかしエンジンの鼓動は感じながら走りたいのが夢だったんですけど、それらを一回り以上上等にしたのが今回の993Tipなんでしょうか。
乗り比べてみたいモノです。
最後の空冷993のAT車両は、とても素敵な大人の乗り物でした。
ショップさんのすっげぇ極上の993でも非常に安かったです。
MT車両の半値くらいが相場なんでしょうか?
サーキット行ったり、絶対にMTじゃないと!(←俺)みたいな人じゃない限り、街乗り程度でしっかりと走れる良いクルマが欲しい人には、このAT積んだ993は非常にステキな選択肢なのではないだろかと思いました。
そして、私の場合は現状では無理ですけど、将来サーキット用に別の車を確保できる身分になれるか、サーキット引退した後で乗る車として街乗り用として乗るには993Tipは非常に良いクルマだな、と思いましたし欲しくなりましたw
リアフェンダーがたまらんのですよねw
いいラインです。
そして、現代の目でみると993カレラは非常に華奢です。
その華奢なキャビンなのにせまっ苦しくなく(実際は狭いですw)解放感感じられるデザインって素晴らしいと思いました。
とにかく感心する事ばかりでしたw
今から20年前にこんなクルマ作ってたんだなぁポルシェって。
凄いなぁ。
でもこの時業績あまり良くなくて起死回生を狙って996を開発したんですよね。
そんな状態の時にこれだけのモノを作るって凄いと思います。
普通ならそのメーカーの最盛期の頃に出てきて…って流れでもおかしくないくらいのデキでした。
やっぱ当時の状態に近い程度の良いのに乗らないと、いろいろ見誤りますね。