3月に投稿以来止まってました。訪問読者がゼロなのでどうでもよいかと。

ただ途中でブログをほっておくのも嫌なので、今回で完了します。前回からの続きです。

 

5) 電気回路の調整・修理 (ラジオ部)

  ここで「 3) 入手時の基本動作確認」で確認したことが役立ちます。確実に動作する部分

  から調整していきます。中古のラジカセの場合、まず動作すると思われのがラジオ部分で

  す。電源が入り最低限電源ランプなどが付く、スピーカーから雑音が出るなどすれば、まず

  ラジオを受信してみてください。FMであれば、どこかの放送局を受信できればSTEREOラン

  プが点灯します。音が出なくてもです。もしここでスピーカーから音が出なければ、ヘッドホ

  ンをつないでボリュームを最大にしてみてください。何かノイズが聞こえますか?FM局の音

  がかすかでも聞こえますか?左右どちらかでも聞こえますか?

  ボリュームを最大にしてもノイズも聞こえなければ重症です。ノイズでも聞こえれば、機械

  は生きています。小さな音や左右どちらかでも音が鳴れば結構まともですね。

  FMラジオでSTEREOランプも点灯しないときは、LINE INにMUSIC PLAYERから音を入れて

  みて下さい。ラジオと同様、ヘッドホンで音の確認をします。LINE INからの音がでればラジ

  オの故障で修理がいります。ラジオの修理は、素人には意外と難しいですね。ラジオが治

  せる人は、ご自分のスキルで挑戦してください。くれぐれも、測定器やToolなしでコイルなど

  の調整をするとわけがわからなくなるのでご注意ください。 

 

6) 電気回路の調整・修理 (アンプ部)

  ラジカセのアンプはほとんどがICアンプです。これが壊れていたら修理不可です。あきらめ

  ましょう。でもこれまでの経験ではICアンプが壊れているかと思われる状況でもよく調べる

  とそれ以外の問題でした。なかなかICは壊れないと思ってよいでしょう。

  切り替えSWやボリュームなどを動かすことでノイズや音が変わるときは、それらのSWかボ

  リュームでの接触不良が考えられます。ほとんどの古いラジカセはこの問題です。接点洗

  浄剤か接点復活剤をかけて動かして接触を良くするのが一般的です。ただ、接点復活剤

  は、メーカーの種類にもよりますが接点周りに導通を作ってしまうことや油幕を作ることも

  あり注意が必要です。私は接点洗浄剤を使っていましたが、呉社の接点復活剤は同様に

  問題ない様です。少しでも音に変化があれば、効果があるとのことです。いろいろな部位を

  確認しながら、効果の高いところを集中的に治しましょう。なお、本当にレストアなどで長期

  の復活を目指すなら、SWやボリュームなどの部品を外して、部品を分解して接点部分をヤ

  スリで磨くことが最も望ましいです。その後、接点のみに接点復活剤を薄く塗るのが最適で

  す。部品を外したり分解するのは勇気がいります。素人には薦めません。

  それでも音が出ないときは、回路を調べていきます。オシロスコープがあればよいですが、

  無い場合はテスタでもよいですし、クリスタルイヤホンでもよいです。LINE INまたはラジオ

  からの音信号を配線に沿って追っていきます。この時、サービスマニュアルで回路図があ

  るときちんと追えます。ない場合は、結構厳しいですが、必ず通る部分であるボリュームや

  バランス、また音質などのボリューム接点でもよいでしょう。ので、どこまで音が来ているの

  か確認します。テスターの場合は、DC/ACの切り替えをしながら電圧で音があるときと無

  い時の差を見ていきます。

  この作業で大体は音が出るようになります。左右でバランスが悪い、音が小さいなどで、接

  点の復活だけでもダメな場合は、カプリングコンデンサーの交換をしていきます。

 

7) 電気回路の調整・修理 (カセット部)

  最後は最大の問題児、大物のカセット部分です。まず、故障が電気回路か機械的なメカな

  のか調査ではっきりさせましょう。音がおかしい、音が小さいだけで電気回路と思ってはい

  けません。ヘッドがテープにちゃんと押し付けられていなければ、同じような事象になりま   す。古いラジカセの場合、電気回路よりメカを疑うのが先決です。

  まずは、駆動部分のゴムベルトの交換は必須です。30年以上も経てば弾力はなくなります

  し、溶解して貼り付きも起きます。ちょっと引っ張るとすぐに切れるでしょう。また既に切れ

  ているでしょう。ゴムベルトは切れていてもすぐには捨てないように。まずゴムベルトの必要

  な長さを計ります。実際に使うゴムベルトはある程度伸ばして使うので、必要な長さの

  70%(平ベルト)、50-60%(角ベルト)程度に交換しています。この辺は機種にもよるで

  しょう。ゴムベルトは、秋葉原の千石電商で豊富に種類がそろっています。家庭用の輪ゴ

  ムなどは使わないように、強度が違いますし経年変化に弱いです。なお、元のゴムベルト

  がプーリーやフライホイールに溶着している場合があります。これを紙ヤスリで綺麗に取り

  除いてください。

  ゴムベルトが交換出来たら、今度はヘッド周りの清掃です。カセットテープが当たる

  ヘッド表面やキャピスタンも汚れています。アルコールで綺麗に拭き取ります。長年使って

  いないものでは、アルコールでは落ちないときもあります。根気よく行いますが、それでも

  取れない場合は、#2000以上の紙ヤスリでこびりついた埃を取ることもあります。ともかく

  テープが当たる部分は滑らである必要があります。ピンチローラも同様にきれいにします。

  なお、ヘッドを止めているネジやピンチローラの圧力設定ネジなどは触らないようにしましょ

  う。治具なしでは素人での調整できません。 

  これでやっとカセットテープをセットして操作を確認します。最初はMUSICテープなど音が正

  しく入っているもので再生してみましょう。ちゃんと均一にテープが走行しているか、リール

  に巻き取られているか、テープの速度はどうか音で確認します。違和感があればその原因

  を追究しましょう。むやみに、テープ速度やピンチローラの周りをいじらないように。

  再生はうまくいけば、次に録音です。新品のテープを入れて録音してみます。普通の音でも

  よいですが、可能であれば正弦波、あるいはピアノなどの一定の音、その他音楽などで

  す。音の変化で、カセットテープでの音の乱れでどこが悪いかわかります。

  また、大事なことはその録音されたテープにもう一度別の音源を上書き録音します。カセッ

  トテープ装置の大事な機構に消去があるからです。中古品の場合、消去がうまくいかない

  ケースがありました。消去ヘッドも録音ヘッドと同じくらい大事な部分です。

  メカの不具合がある場合は、カセットテープを外して、からでPLAYやFF/REWをしてメカの

  確認をします。この時リールが回らないと自動停止動作しますので、リール間に小さな輪ゴ

  ムを這わすなどの工夫が必要です。また、カセットテープの装着を確認する機構が必ずあ

  りますので、それを指か何かでセットすることも大事です。これでカセットテープなしで空回

  りさせて、メカの動作の不具合を確認して治していきます。

  カセットテープなしでメカの動作が確認できれば、今度はカセットテープを入れての調整で

  す。テープ速度は、あらかじめ別の正常な機械で録音した正弦波を再生しながら同じ周波

  数になるように調整します。テープの最初と中間、最後でも速度は変化します。できればそ

  れぞれで確認しましょう。

  メカがOKと思えたら、電気回路の調整です。基本的にはカセットテープの電気回路は調整

  が難しいので一般的には行わないのが良いでしょう。少しの問題ならあきらめても良いか

  と思います。程度問題です。何が大変かというと、カセットテープという媒体があるためで

  す。テープの良し悪しによるところが多いです。録音レベルが低いなどは、各機種で調整

  用の半固定抵抗が基板についていますが、治具なしでは調整は難しく、あるテープでよい

  設定にすると別のテープではダメということもあります。また録音の設定が、消去レベルま

  で動かしてしまうこともあります。録音レベルをうまく合わせたら、消去前の音が残ってし

  まったなど出ることがあります。さらに録音の調整は、それを再生しないと結果がわかりま

  せん。大変な苦労をすると思います。

  カセットテープにはNORMAL POSITIONとHIGH POSITION(CrO2)があります。さらに

  METALなどもあります。今日METALテープは手に入りませんんで、調整もできません。こ

  れらの全タイプで再生、録音の調整はまず無理で、動作の確認程度にとどめることをお勧

  めします。

 

 

8) 最後の組み立て

  最後と書きましたが、組み立てと分解は何度もは発生します。正しくラジカセの動作を確認

  するためには、組み立てが必要です。しかし、調整には、分解した状態でないとできませ

  ん。私も、何十回と1台のラジカセで組み立て、分解を繰り返します。その時大事なのは、

  組み立ての順番とそれぞれの部位の組み立て時の忘れ物確認です。組み立てた後に、ネ

  ジを1本締め忘れた、部品を1つ付け忘れたなどしょっちゅう起きます。分解の回数が増え

  れば、プラスチックも割れますし、各部品へのストレスも増えます。カセットのメカに配線が

  触れるなどは最悪です。十分注意して、なるべく分解の回数を減らしましょう。

  最後の組み立てと思われたら、周りを家具用洗剤などで綺麗に拭きましょう。

 

以上で完成です。お役に立てればうれしいです。