だいすきな人と
たべたお好み焼きは

美味しいのは
当たり前で

いや、
味を堪能する
余裕などなく

ただ動悸がして

手際よく焼かれていく

初めての、もんじゃや
そばのように

手慣れた手つきで
焼かれていく
鉄板上の対角線で

少し大きめに開いた
襟のブラウスの

首まわりに
何度も視線を
泳がせる
あなたの黒目を

狙いを定めた
女豹のような気持ちで
追いかけていた


あれから何年
経ったのかな
美味しい
お店ないのかなあと
あれこれ探してみるけれど

あなたと
たべた
お好み焼きは
まだ超えられそうにない