「メルセデス、マクラーレン買収も選択肢 ハウグ氏語る」

これまで何回もウワサされているメルセデスによるマクラーレン買収ですが、また出てきました。今度はメルセデスのノルベルト・ハウグ氏が買収の可能性を示唆する発言をしたためです。


マクラーレン・メルセデス

<名門チームの行方は?>


ハウグ氏はドイツのメディア「モータースポーツ・アクチュエル」に対して、メルセデスによるマクラーレン買収について「そう決定した訳ではないが、選択肢の有力な一つであることは確かだ。もしもわれわれが自身の手でF1に参戦するとしたら、マクラーレンが最高の選択であることは間違いないからね」と語っています。現在マクラーレンの株式はチーム代表のロン・デニスが30%、そしてメルセデスは40%を保有、残りの30%はマンスール・オジェ氏が保有しています。


このウワサは毎度のことですが、今回はマクラーレンが実は巨額の負債を抱えていて、メルセデスがそれを支払うのと引き替えに、株式の譲渡を提案しているというウワサまであります。


今年からホンダがBARを、BMWがザウバーを買収して参戦するなどの動きがある中、唯一エンジンサプライヤーとして活動する自動車メーカーとなってしまったメルセデス。BARやザウバーといった歴史の浅いチームを買収することは自動車メーカーにとってたやすいことだったでしょうが、チームが50年近くの歴史を持つ名門マクラーレンとなれば話が違います。歴史も実績もあるこのチームが無くなるとなれば、多くの人々が反対するでしょう。どうするマクラーレン、メルセデス。



「ホンダ、いよいよ新風洞稼働へ 責任者はアルペリン氏」

かねてから建設が進められていたホンダチームの最新鋭大型ウィンドトンネルは、ようやく完成し、早速稼働するということです。そしてその新風洞の責任者としてマリアーノ・アルペリン氏が任命されました。


HRDのエンジニアリング・ディレクターである中本修平氏は、ホンダHP内の「中本修平レポート」にて、新しい風洞について「ようやくできあがりました。予定よりちょっと早いですが、早速今週から動かしますよ。本格的にデータが使えるようになるには、まだ半年ぐらいかかりますが、その間にも、いいものが見つかれば、どんどん実戦で使っていくつもりです。これで風洞は、やっと他チーム並みになりました」と語っています。


ホンダ「RA106」

<新風洞で来年は真価が問われるオールホンダ2年目へ>


そしてこの新風洞の責任者として任命されたマリアーノ・アルペリン氏は、1999年BAR設立時からのメンバーで今年40歳。アルペリン氏は過去にAGSやランボルギーニ、フォンドメタル、そして中野信治が所属していた時のミナルディでも働いた経験があるということです。


これでアルペリン氏はホンダの空力部門では最も重要な任務を担うことになり、空力ではパッとしないホンダチームだけに、この新風洞とアルペリン氏が活躍できるかどうかがこの風洞が本格的に活用されると見られる来年以降、ホンダチームの活躍を左右する思います。



「トヨタ、ガスコインの事実上後任はやはりバセロン氏 テクニカル・ディレクター職を廃止」

トヨタは前テクニカル・ディレクターのマイク・ガスコイン氏がチームを離脱したことで、テクニカル・ディレクター職を廃して、その代わりにシニアゼネラル・マネージャーという役職を設けたことを発表しました。


パナソニック・トヨタレーシング


そのシニアゼネラル・マネージャーに就いたのは、これまでエンジン部門のテクニカル・ディレクターだったルカ・マルモリーニ氏がそのままエンジン部門のシニアゼネラル・マネージャーに就任。そして事実上、離脱したガスコイン氏の後任となるシャシー部門にはやはりパスカル・バセロン氏が就任することになりました。トヨタによると、現在、優れた組織は個人の指揮に従うよりも、統合された体制に従うものであるという考えに基づき、テクニカル・ディレクター職を廃止したということです。


新たにシニアゼネラル・マネージャーに就任した二人に対して、TMGのジョン・ハウエット社長「彼らはマネージメント上の役割においての手腕を引き続き発揮してくれるだろう。こういった(体制上の)変更により、長期的に組織の安定性を保ち、それがコース上のパフォーマンスへとつながっていくものと確信している」とコメントしています。