昨年の6月 おばぁが亡くなった。
嫁と姑という関係のおばぁとわたしの間にはいろんなあれこれ(笑)があった。
そして、それはまた別の機会にふりかえるとして。
おばぁの容態が急変して病院に呼ばれたとき、
ベッドの上でおばぁが最後のひと呼吸をして喉や胸のあたりが盛り上がったのを見た。
わたしはおばぁの手を握って泣いた。その時、まだおばぁは亡くなってなかったけど、そこにいた義父もお兄ちゃんも、誰もおばぁの手を握ることはなく 今にも旅立ちそうなおばぁをただ見ていた。
なんで、手を握ってあげないの?
だったらわたしがやる。
おばぁ、大丈夫だよ、大丈夫。
これから行くその世界がほんとの居場所だからね。
何も心配いらないからね。
わたしは泣きながら、おばぁの手を最後まで握っていた。うちのひとはその旅立ちに間に合わなかった。
自分の前世ってなんだったんだろう、と思う。
わたしはさびしさを知りすぎてる。
おばぁが亡くなったその日も、わたしは変わらず
豆太郎のさんぽをした。
その日の夕焼けはあまりにも印象的だった。
おばぁの魂が旅立っていった。