最近は以前より速く眠る事ができる日は多いけれど、それでもうとうとする時間もないままに朝方まで起きていることはある。
大概、お酒を飲んではいるのだが酩酊するような事もなく、翌日に記憶がないということもなくなった。
一昨日。
カーテンを閉めた窓からは朝の光が漏れ出してきていた。
オリは寝る前にタバコを吸おうと思って台所の換気扇の前に立っていた。台所は東向きの窓があるため、擦りガラス越しではあったけれど朝の光が薄く漏れてきており、十分に明るかった。
タバコを吸い始めてすぐに。
不意にズボンがくるぶしまで落ちた。ユニクロの紐で縛るヤツなのだが、アタシは紐の始末があまり得意ではないからだ。そしてズボンが落ちると同時に下着のパンツも、たごまって一緒に落ちてしまったのだった。
つまり、アタシハ下半身をむき出しの状態で光の中で喫煙していたということになる。どうして、すぐにパンツとズボンを元に戻さなかったのか?と疑問を持つ人もいるだろうと思う。
気持ちがよかったから。これだけ。
擦りガラスを通してではあったけれど。早朝でまだ熱がこもっていない太陽の光が自分の下半身を照らしている。
ほんのりとた暖かさはこれまで感じたことはなかった。
いや?なかったこともない。過去にあった懐かしい感触のような。
アタシはそこそこ長い人生の中、裸の下半身を日光に晒したことはなかった。しかし、きっと、しらないけど、記憶にないけど。
誰かが裸のアタシを日光浴させていたのだろうと。その、かすかに触れたような感触はいまだに残って懐かしさだけでなく理不尽さも甘んじて受け取らざるをえないのですなあ。
薄暗い台所。換気扇の下で下半身丸裸の男は、静かに煙を吐きながら朝の弱い日に照らされている。
しやわせ、というものは、こうした時間の中にあるものかもしれない!と思いながらパンツを履いたのでした。
