名前を聞かれるまでは
公園を後にしようと思ってたんだ
仔猫を抱いたまま…
「 きみの名前は? 」
その言葉にカラダが反応して
歩くのを止めた
仔猫の名前も自分の名前も
問いかければするほど
頭の中が真っ白になって
足元から体温が奪われていくような
そんな感覚だった。
どうにか一歩足を踏み出した時
目の前が真っ暗になっていく
「 お、おい…!!危な……… 」
誰かが何か言ってたけど
その言葉は真っ暗な闇の中に消えていった。
それからどれくらい時間が経ったのか・・・
目を開いたら天井があって
そこは公園じゃなくて
知らない誰かの家だった。
辺りを見回して
まだぼんやりとしてる意識の中
目に入った一人の男・・・
公園にいたユンホって名前の男だ・・・
「 お、やっと気付いたか、おはよう。」
「、、、ここは?」
「 ん? 俺ん家(笑) きみ猫抱いたまま急に倒れるからびっくりしたよ。思わずスライディングしたし… 」
「 、、、猫、、、猫は!どこにやった!」
どこ?あの公園にまだいるのか?
気持ちより先に身体の方が動いてベッドから
起き上がろうとした時
「 みぃ~…みぃ~ 」
足元から聞こえてきた声。
布団の上から顔を覗き込む姿にホッと安心したんだ。
******* つづく *******