おいおいママ…
猫探しまでって…簡単に言うけどさ…
これが結構 辛いんだって…
な…分かってくれよぉ~
「 えぇーー …… 猫一匹見つけ出すのって案外大変なんだってぇぇ~~ 」
カウンターに身体をへばりつかせながら
疲れてますよとポーズしてみせる。
「 はぁ?そんな格好したって 何も出てこないよ(笑) まぁね、昔は野良猫か飼い猫か分からない位 この辺りにもいたんだけどさ、今はさぁ~っぱり見当たらないねぇ。」
呆れ顏のママが何か懐かしむように
また 空中に煙をふかせた。
「 ふぅ~ん、そうなんだ…。」
少し残念な気持ちになったけど
仕方ない…諦めるか…。
「 ほら、この辺にいなくたって
公園辺りにいるんじゃないの?
散歩してる猫とか… (コトッ)」
《 公園ねぇ~ … 》
伏せてた顔を上げると
「うぉっ! つめてぇー 」
いちごミルクの入ったグラスを
俺の頬にくっつけてきた。
「 ほらほら これ持って、もうひと頑張りしといで(笑) 」
そう言いながらラップに包まった
ホットサンドを袋に入れてミネラルウォーターと一緒にテーブルに置いた。
「 おっ、ママぁ~ ありがとう。
よし、これ食べて…… 」
開けようとしたら
「 飲み物とそれは あたしのサービスだよ(笑)ただね…ここで食べるのは良いけど…チャージ料… つくよ(笑)」
《ゲッ! チャージ料いるのかよ!》
一気にグラスの飲み物だけ飲み干し
「 ママ、ありがとうございました! もうひと頑張りしてきます!」
そう言って扉を開けて店を出る。
「 気張っておいでぇ、待ってるから(笑)」
小さく聞こえるママの声が
俺の背中を押してくれた。
《 さて… 頑張ってきますか… 》
****** つづく******