午前5;44

 

巨大なフラッシュがたかれたように

街が光った

 

その後

キーンという金属音

 

そして

地鳴り

 

5:45

 

ドンという突き上げと同時に

二階が一階になった

 

そこから二日

埋まったまま

 

助け出された時

 

戦争を知らないのに

戦争が起こったのかと思った

 

あの時、飲んだ水の味は忘れない

 

30キロも離れてない大阪まで歩く

 

大阪に着くと

別世界のようだった

 

冬服で楽しげに闊歩する人

デパ地下に溢れる食料品

電車は普通に動き

日常が流れてる

 

あれから24年になるが

私は未だに閉所恐怖症だ

 

古き良き神戸は様変わりした

 

表向きの復興は済んだように見えるが

 

長田区は空き地が点在し

高齢者ばかりの過疎化

 

商店街は次々と潰れ

街並みも変わった

 

もう

古き良き神戸は帰らない

 

でも

私は生き続けてる

 

これには意味があると思う

 

せっかく拾った命

何かのお役に立てたらと心から思う

24年も経つのに

まだまだ模索中だ

 

心から黙祷を捧げ

新たに何か出来る事を探そうと思う