こんにちは。
渡邉ひとしです。
第337話のテーマは
『採算が悪化する3つの要因』です。
(ブログは毎週・金曜日に投稿します)
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「Suntory Beverage & Food Limited」
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2009年1月に
<サントリー>が<サントリー食品>を
設立しました。
2009年4月に
飲料販売の<サントリーフーズ>を
傘下の企業としました。
2010年11月に
<日本ミルクコミュニティ>と
紙パック製品に関する販売契約を締結。
サントリーブランドの紙パック入り飲料を
<日本ミルクコミュニティ>を通じた
販売に切り替えました。
2011年1月に
<オランジーナ・シュウェップス・グループ>
などの海外における清涼飲料事業を統合して
<サントリー食品インターナショナル>に
商号を変更しました。
2015年7月に
<JT>から株式とブランドを取得して
<ジャパンビバレッジホールディングス>と
<ジェイティエースター>を
グループの一員にしました。
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<サントリー食品>のビジネスモデル
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2017年10月に
健康食品子会社の<セレボス>が手掛ける
調味料など加工食品の一部事業を
米国食品大手の<クラフト・ハインツ>に
売却すると表明しました。
主力の清涼飲料との相乗効果が薄いため
事業の「選択と集中」を進める考えです。
2017年11月に
<弘前大学>と共同で
水と健康の関係を研究する
「ウオーターヘルスサイエンス講座」を
<弘前大学>大学院医学研究科に
開設しました。
水分摂取と健康の関係を
科学的に明らかにしたい考えです。
同じく2017年11月に
米国飲料大手の<ペプシコ>とタイで
清涼飲料の合弁会社を設立する方針です。
成長が続くアジア市場でタイを核にして
清涼飲料事業拡大を図る狙いです。
2018年1月に
ペットボトル入りコーヒーの
「クラフトボス」の増産を表明しました。
缶入りコーヒーでは遅れていた
若い世代の取り込みに成功したため
生産能力を1.5倍以上に引き上げます。
2018年2月に発表した
「2017年12月期」の連結決算は
純利益が前期比で9%増えました。
国内は主力のコーヒーブランド「BOSS」で
新商品を発売した効果が出ており
アジアでもエナジードリンクなどの
清涼飲料の販売が好調でした。
2018年4月に
無糖炭酸水「南アルプススパークリング」
を発売すると発表しました。
炭酸を従来に比べて強くし爽快感を高め
キャンプ用品大手の<スノーピーク>と
共同開発しました。
健康志向の高まりなどを受けて
無糖炭酸水市場が伸びていることに
対応する狙いです。
2018年7月に
清涼飲料の購入とともに弁当も注文できる
自動販売機の展開を始めたと発表しました。
近くの店が混んだり仕事に追われたりして
昼食を食べそびれる「ランチ難民」を救い
飲料販売につなげる狙いです。
2018年9月に
健康アプリを手掛ける企業などと組み
健康関連の取り組みを発表しました。
特定保健用食品「伊右衛門 特茶」の顧客の
健康管理を手助けします。
トクホなど健康関連飲料市場では
効果を感じられない人が離脱して
成長に陰りが出てきているため
顧客を定着させて持続的な成長を狙います。
「人生100年の時代
健康寿命を延ばすのが大きな社会課題」
「特茶は生活習慣を変える
きっかけとなれる」と
沖中直人執行役員は述べています。
健康アプリ開発の<FiNC>や
健康コンサルティングを手掛ける
<THF>などと取り組みます。
同じく2018年9月に
ミネラルウオーターの製造工場を
長野県大町市に建設すると発表しました。
山梨県・熊本県・鳥取県に
工場を抱えていますが
長野県内では初めてになります。
小郷三朗社長は記者会見で……
「よい商品はよい水からを大切にしてきた」
「4番目の水源を求めて
60を超える候補地から名水に巡り会えた」
と述べています。
2018年10月に
<日立製作所>と共同で人工知能による
生産計画の自動立案システムを開発して
飲料などを生産する
自社工場に導入すると発表しました。
新システムでは<サントリー食品>の
計画立案ノウハウと
<日立製作所>の人工知能技術を
組み合わせました。
2019年1月に
コーヒー飲料「BOSS」の
2018年の販売数量が
1992年の発売以来初めて
1億ケースを超えたと発表しました。
ペットボトル入りコーヒーの
クラフトボスが好調に推移しています。
同じくミネラルウオーターである
サントリー天然水のブランドの販売数量が
首位になったと発表しました。
国内清涼飲料市場で
首位のブランド交代は28年ぶりです。
2019年2月に
「2019年12月期」の連結純利益が
前期比17%減になる見通しと発表しました。
原材料費や物流費などの増加で
2013年7月の上場以来
初の減益になる見込みです。
清涼飲料メーカーは……
① 高騰する物流費の影響を受けやすい体質
② 過当競争による販売促進費の増加
③ 小売りへの価格交渉力の弱さ
という3つの採算が悪化する
構造的な要因があります。
これらマイナスの要因を
解消するためのビジネスモデルが
<サントリー食品>に求められています。
*次回は、4月26日金曜日です
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社会環境の変化に影響される企業は……
社会環境の変化に対応するため
マイナス要因を解消した
新たなビジネスモデルに
切り替える必要がある。
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未来志向経営コンサルタント:渡邉ひとし
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中部大学 非常勤講師
愛知産業大学 非常勤講師
株式会社 未来デザインカンパニー
代表取締役 渡邉ひとし
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〔投稿内容〕
投稿文の数字及び企業名などは
日経新聞などの公開情報に基づいた
記述に徹しています。
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