こんにちは。
渡邉ひとしです。
第328話のテーマは
『市況変動の影響を受けにくい』です。
(ブログは月曜・金曜の投稿です)
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その歴史は商船ビジネスから始まった
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日本で初めての「株式会社」といわれる
坂本龍馬氏の<海援隊>が
岩崎弥太郎氏に受け継がれて
1870年に
<九十九商会>が設立されました。
1873年に
<三菱商会>と社名を変更しました。
1875年に
国有会社である<日本国郵便蒸気船会社>
の経営が岩崎弥太郎氏に任され
<郵便汽船三菱会社>へと
社名を変更しました。
1885年に
岩崎弥太郎氏の死去に伴い
弟の岩崎弥之助氏が後を継ぎ
<郵便汽船三菱会社>と
<共同運輸会社>が合併して
<日本郵船会社>が設立されました。
1893年に
<三菱社>は
<三菱合資>へと改組し
岩崎弥太郎氏の長男・久弥氏が
3代目社長に就任しました。
総務・銀行・営業・炭坑・鉱山・地所の
各部を設置して事業を拡大させました。
1918年に
<三菱合資>の営業部は総合商社である
<三菱商事>として独立しました。
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<三菱商事>のビジネスモデル
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2017年8月に
「IoT」を活用した農業支援に
進出すると表明しました。
大型のドローンを操縦して
農薬の自動散布の支援サービスを
農家や自治体向けに提供します。
世界規模での人口増加を背景に
食料の需要は中長期で伸びると考え
取引強化に動いています。
2017年9月に
工場や倉庫などの所有から
利用への転換を促すサービスを
始めると表明しました。
企業が工場や倉庫といった
事業に使う資産を保有せずに
必要に応じて賃借する仕組みになります。
2017年10月に
ヨーロッパで電気自動車を組み合わせた
電力供給システムの実用化への進出を表明。
充電も放電もできる充放電ステーションに
電気自動車をつなぎ
電気が足りないときは電気自動車の電池から
電気を送電網に送ります。
同じく2017年10月に
米国<デジタルリアリティトラスト>と共同で
2022年までに国内に約10カ所の
データセンターの新設を表明しました。
自動運転などのサービスが本格化すると
飛躍的にデータの受送信が伸びることを考え
ネットを活用した新サービスを目指します。
2017年11月に
フィリピンのマニラを南北に走る
高架鉄道の車両120両を受注しました。
フィリピンでは初めての
鉄道車両の受注になります。
2017年12月に
農業関連のITベンチャーである
<ベジタリ>に出資しました。
<ベジタリア>が進める農業の情報産業化を
国内外で支援していきます。
肥料や農薬、農業機械といった農業資材や
青果物の流通などの既存事業と連携しながら
農業関連ビジネスを拡大する狙いです。
2018年2月に
<三菱自動車>に株式公開買い付けを実施して
保有比率を20%に高めると発表しました。
<三菱商事>の垣内威彦社長は……
「自動車産業から出てくる
ニュービジネスはたくさんある」と述べ
新分野を開拓するきっかけにしたい考えです。
2018年3月に
イギリスとオランダで大型の洋上風力発電所に
参画すると発表しました。
洋上風力の発送電の知見を積むことで
将来のアジアや日本への展開を狙います。
2018年5月に発表した
「2018年3月期」の連結純利益は
前期比27%増で過去最高益を更新しました。
原料炭の価格上昇で採算が向上して
東南アジアでの自動車販売の増加も
過去最高益の更新に貢献しました。
同じく2018年5月に
フィリピンで分譲住宅事業に
本格参入することを表明しました。
海外の住宅開発は単発計画が多いのですが
経済成長で中間層が増えているため
継続的な海外の住宅開発に取り組みます。
2018年6月に
ペルーの銅山権益を追加取得して
今年中にも開発を始めると表明しました。
銅は電気自動車などの原材料として
需要の拡大が見込めるため
再投資することを決めました。
2018年8月に
液化天然ガスをアジアの新興国に
供給する事業に乗り出すことを表明しました。
これから需要が高まる
アジア新興国に拠点を築いて
液化天然ガス事業をさらに強化します。
2018年9月に
アフリカで電気が通っていない非電化地域を
解消する事業を始めると表明しました。
モバイル決済による先払いにするなどの
ITの進展で事業化にめどがつきました。
2018年11月に
<東洋ゴム工業>に追加出資して
筆頭株主になることを発表しました。
タイヤなどの自動車分野に
経営資源を集中していく考えです。
2019年2月に発表した
「2018年4~12月期」の連結決算は
純利益が前同比6%増でした。
東南アジア向けの自動車や化学品
鉄鋼向け石炭が伸びるなど
同期間としての最高益を更新しました。
このような好業績の実績にも関わらず
株価は上場来高値の80%と
市場の評価は高まっていません。
この10年間程度は
非資源分野中心の「事業系」と呼ぶ
セグメントへ経営資源を集めてきました。
事業系の利益比率は今期に約70%に達して
資源と非資源の分類を始めた
「2011年3月期」の約30%から
大きく増えています。
しかし依然として
「資源系」の価格低落への懸念があり
資源に依存する商社体質への疑念が
払拭されていないようです。
市場への信頼が回復さるような
中長期的な成長戦略が求められています。
*次回のブログは2月13日水曜日です
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今日の事例で何を学べるでしょうか?
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金属などの資源系で
市況変動の影響を受けやすい企業は……
これまでに作り上げた事業以外に
市況変動の影響を受けにくい
機械事業や生活産業などの
事業系の比率を高めていくことで
収益の安定を図る必要がある。
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【ご連絡先】
未来志向の経営コンサルタント:渡邉ひとし
E-mail:mirai-design@ogaki-tv.ne.jp
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中部大学 非常勤講師
愛知産業大学 非常勤講師
株式会社 未来デザインカンパニー
代表取締役 渡邉ひとし
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〔投稿内容〕
投稿文の数字及び企業名などは
日経新聞などの公開情報に基づいた
記述に徹しています。
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