こんにちは、渡邉ひとしです。
第325話のテーマは
『大型商品依存型からの脱出』です。
(ブログは月曜・金曜の投稿です)
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他社にまねできない製品を作るというDNA
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1921年に
創業者である大塚武三郎によって徳島県で
<大塚製薬工場>が創業しました。
1953年に
「オロナイン軟膏」を発売して
大ヒット商品となりました。
1964年に
販売部門が分社化されて
<大塚製薬>が設立されました。
1965年に
「オロナミンCドリンク」を
発売しました。
1970年に
<アース製薬>を買収して
子会社化しました。
1980年に
「ポカリスエット」を発売しました。
1983年に
「カロリーメイト」を発売しました。
1988年に
「ファイブミニ」を発売しました。
2006年に
「ソイジョイ」を発売しました。
2008年7月に
<大塚ホールディングス>の設立により
<大塚製薬>は子会社になりました。
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大塚製薬のビジネスモデル
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2017年7月に
和歌山県と災害時の物資調達などで
連携する協定を結びました。
災害の発生時には食料などの備蓄に加え
流通している物資を速やかに調達して
被災者を支援します。
①健康長寿社会づくりの推進
②青少年の育成やスポーツ振興
③県民の健康づくりや食育の推進
なども
その他に盛り込まれています。
同じく2017年7月に
カナダの食品会社である
<デイヤフーズ>の買収を発表しました。
北米を中心に植物由来の成分を用いた
チーズやヨーグルトの代替製品の
開発・販売を手掛けており
健康志向の高い層を
中心顧客に抱える食品会社です。
食品事業の製品群を拡充するとともに
販路を生かして<デイヤフーズ>の製品を
アジアで展開する狙いです。
2017年8月に発表した
「2017年1~6月期」の連結決算は
純利益が前期比14%減でした。
抗精神病薬である「エビリファイ」が
特許切れの影響で苦戦しました。
2017年10月に
徳島市にある企業内保育所の定員を
大幅に増員して現在の40%増となる
国内最大級の施設を公開しました。
子供を持つ女性らが働きやすい環境を整えて
多様性を持つ人材を確保する狙いです。
2017年11月に発表した
「2017年1~9月期」の連結決算は
純利益が前期比32%減でした。
海外子会社の製品で減損損失を計上し
新薬の研究開発費も膨らみました。
また
医療機器事業を本体から会社分割して
<大塚メディカルデバイス>に事業を
承継することを決議したと発表しました。
グループで経営資源配分を最適化して
事業基盤を強化する考えです。
同じく2017年11月に
米国<プロテウス・デジタル・ヘルス>と
錠剤にセンサーを内蔵して服薬を管理する
デジタルメディスンの承認を
米食品医薬品局から取得したと発表しました。
医薬品と医療機器を一体化して開発された
世界初のコンビネーション製品になります。
抗精神病薬エビリファイの錠剤に
極小センサーを内蔵して
患者が薬を飲むと信号を発して通知します。
薬をきちんと飲んでいるかどうかわかれば
適切な治療や医療費抑制につながります。
2017年12月に
<弘前大学>と共同研究講座になる
「女性の健康推進医学講座」を
大学院医学研究科に開設しました。
<弘前大学>が持つ地域住民の膨大な
健康診断データを活用して
女性の健康や生活の質の向上につながる
新たな研究成果を目指しています。
2018年1月に
欧州子会社がフランスの有機食品メーカー
<ビーシーバイオ>の買収を発表しました。
欧州では健康志向の消費者が増えており
農薬や化学肥料などを使わない
原料からつくった有機食品の市場が
拡大しています。
2018年2月に
「2017年12月期」の連結純利益が
前期比21%増になったと発表しました。
アメリカの法人減税に伴い
利益の押し上げ効果がありました。
同じく2018年2月に
「2018年12月期」の連結営業利益が
前期比34%増の見通しだと発表しました。
抗精神病薬「レキサルティ」などの海外販売や
国内での新薬が伸長します。
樋口達夫社長は……
「主力製品だけに頼る
ビジネスモデルではなく
製品群の多角化がうまくいっている」
「新たに承認された新薬などの販売に
力を入れていきたい」
と話しています。
2018年4月に
<タカラバイオ>と日本国内での共同開発や
独占販売契約を結びました。
次世代のがん遺伝子治療薬に
参入すると発表しました。
2018年7月に
米国バイオベンチャーの<ビステラ>を
買収すると発表しました。
腎領域の開発品目を強化するほか
抗体医薬品を効率よく生み出す技術を生かし
創薬の基盤を底上げする狙いです。
2018年8月に
次世代のがん免疫治療法の研究開発などで
<大阪大学>と組むと発表しました。
全ての領域のがんを対象に
共同で基礎研究を進め
全世界での臨床試験や製造・販売を
独占的に請け負う狙いです。
2019年1月に
米国の<クリックセラピューティクス>と
うつ病治療に用いる治療用アプリの開発と
商用化で契約したと発表しました。
スマートフォン向けに開発中の
治療用アプリは大うつ病性障害向けで
さまざまな種類の顔画像を用いて
短期記憶をトレーニングします。
<大塚ホールディングス>の
樋口達夫社長は
「新しい技術を連携させ
イノベーションを生み出す」
と話しています。
これから2030年を見据えて
「創薬」に焦点を当てて強化する考えです。
かつて
連結全体の40%を稼いだ
抗精神病薬「エビリファイ」の
特許切れ後は収益が大きく落ち込み
収益の確保に苦しんだ時期がありました。
大型商品に頼る「1点依存型」から
「収益の多様化」へと舵を切り
新たなビジネスモデルを構築しています。
*次回のブログは1月21日月曜日です
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今日の事例で何を学べるでしょうか?
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爆発的ヒットの商品に依存する企業は……
その商品の賞味期限が切れた段階で
大きな減収という痛手を被る。
経営の安定化を図るには
ホームラン商品ではなく
数多くのヒット商品を
生み出すことが重要になる。
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ブランド経営コンサルタント 渡邉ひとし
E-mail:mirai-design@ogaki-tv.ne.jp
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◉理想のお客様 ◉協力者 ◉主要活動
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中部大学 非常勤講師
愛知産業大学 非常勤講師
(社)ビジネスモデルイノベーション協会
公認ジュニアコンサルタント
経営コンサルタント(ブランド経営の構築)
株式会社未来デザインカンパニー 代表取締役
渡邉ひとし
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〔投稿内容〕
投稿文の数字及び企業名などは
日経新聞などの公開情報に基づいた
記述に徹しています。
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