こんにちは。
渡邉ひとしです。
第320話のテーマは
『新技術による業界再編の動き』です。
(ビジネスモデル=月曜・金曜の平日投稿)
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分社や合併の繰り返しで存在する会社
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日本におけるトラック・バス業界の
最大手の会社であり
大型・中型トラック販売では44年連続で
シェアトップ(2018年)をキープし
世界の大型トラック製造メーカーの中でも
生産台数トップ10にランク入りする
<トヨタ自動車>の連結子会社です。
1910年に
<東京瓦斯工業>が設立されました。
1917年に
TGE-A型トラックの自主開発を始め
翌年には製造を開始しました。
1937年に
<石川島自動車製作所>や
<ダット自動車製造>と3社で合併して
<東京自動車工業>を設立しました。
1942年に
<日野製造所>が分離独立して
<日野重工業>を設立しました。
1946年に
<日野産業>に社名を変更して
セミトレーラートラックを発売しました。
1959年に
<日野自動車工業>に社名を変更しました。
1999年には
「工業」と「販売」の合併により
<日野自動車>に社名を変更しました。
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日野自動車のビジネスモデル
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2017年6月に
マレーシアでハイブリッド・バスを
試験導入しました。
日本で普及しているハイブリッド・バスを
東南アジアでも広げていく狙いです。
同じく2017年6月に
<日野自動車>で16年ぶりの
生え抜き社長になる下義生氏が就任。
2017年7月には
トラックの自動運転の開発を推進する
方針を明らかにしました。
1つの車線を複数の車が隊列を組んで走る
「隊列走行」の安全性などを
<いすゞ自動車>と検証します。
さらに
IoTを使い顧客企業の物流効率化に
進出することを決めました。
親会社である<トヨタ自動車>と連携して
積載状態などのデータを集め
効率的に輸送できるように助言します。
<トヨタ自動車>と共同で
トラック物流を検証する専門チームを
立ち上げました。
下義生社長は……
「乗用車よりもトラックなどの
商用車の方が変化が激しくなる」
という危機感を持っています。
2017年9月に
米国のウェストバージニア州の工場を
移転し拡張すると発表しました。
アメリカの事業を日本やアジアに次ぐ
柱に育成する狙いです。
2017年10月には
ロシアに中型・小型トラックの
組み立て工場を建設すると発表しました。
これまで海外展開は
東南アジアが中心でしたが
今後は手堅い成長が見込める
アメリカやロシアでも
事業基盤を築く狙いです。
同じく2017年10月に
茨城県古河市の古河工場を
本格稼働させました。
東京都日野市の本社工場からの
生産移転を進めていました。
古河工場をマザー工場として
完成車や部品を集中生産して
海外の生産拠点などに
供給する体制を加速する狙いです。
2017年12月には
<トヨタ自動車>が主導する
電気自動車の基盤技術の開発会社に
合流することを決めました。
最新のEV技術を共有して
電気自動車の技術開発を加速する狙いです。
2018年1月に
<日野自動車>など国内トラック4社と
<豊田通商>は通信などを活用して
トラックが高速道路を隊列で走行する
実証実験を静岡県で始めました。
2022年に先頭車のみ有人で
運転する技術の実用化を目指します。
2018年4月に
<フォルクスワーゲン>のバスや
トラックなどの商用車を手掛ける子会社と
戦略的協力関係を構築することで
合意をしたと発表しました。
自動運転などの次世代技術での連携や
世界で両社の販売網や生産体制の
相互補完を検討します。
<日野自動車>の下義生社長は……
「<トヨタ自動車>との関係は
今後もまったく変わることはない」
「商用車が直面する課題は
トヨタグループにいるだけでは
難しい部分がある」
「協業をいかし世界をリードする
商用車メーカーとして
顧客に価値を提供したい」と話しています。
2018年4月に発表した
「2018年3月期」の連結決算は
純利益が前期比4%増でした。
インドネシアやアメリカで
建設向けトラックの販売が伸びたこともあり
4期ぶりの増益になります。
2018年6月に
物流の効率化に向けた自動運転技術などの
実証実験を手掛ける新会社を設立しました。
トラックの積載率向上や
運転手の健康管理などの課題に取り組み
物流会社や荷主と資本の受け入れを含め
協業関係の構築を検討します。
2018年7月に
高速道路を走行する大型トラック向けに
最適化したハイブリッド車を発売すると
発表しました。
人工知能を活用して
大型トラックでもバッテリーなどを制御して
ハイブリッドの燃費性能を高めます。
2018年9月に
<フォルクスワーゲン>と電動技術に関する
連携を深めると発表しました。
<日野自動車>のハイブリッド技術に加え
<フォルクスワーゲン>の
電気自動車のノウハウを取り込みます。
2018年12月に
車と車の間の通信などを活用して
トラックが隊列を組んで
新東名高速道路を走る
実証実験を始めました。
物流業で人手不足が深刻化するなか
解決策として隊列走行は注目されていて
2021年度の商用化を目指します。
電動化や自動運転などの技術の変化により
商用車でも新たな合従連衡が起こる
機運が高まっています。
<日野自動車>はトヨタグループの
一員でありながらライバルである
<フォルクスワーゲン>と
連携を深めています。
これから<日野自動車>は
どのような棲み分けをしていくのか?
世界の商用車の再編で
どのような立場で生き残りを図るか?
新技術に伴う業界再編の波に
飲み込まれないように
これからのビジネスモデルを
再構築する必要に迫られています。
*次回のブログは12月12日水曜日です
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【経営の無料相談2時間:連絡先】
ブランド経営コンサルタント 渡邉ひとし
(株)未来デザインカンパニー 代表取締役
E-mail:mirai-design@ogaki-tv.ne.jp
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今日の事例で何を学べるでしょうか?
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大きな技術革新の渦中にある企業は……
新技術の応用だけではなく
業界再編後に生き残るための
新たなビジネスモデルを
構築する必要に迫られています。
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◉理想のお客様 ◉協力者 ◉主要活動
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経営コンサルタント(ブランド経営)
(社)ビジネスモデルイノベーション協会
公認ジュニアコンサルタント
愛知産業大学 非常勤講師
中部大学 非常勤講師
株式会社 未来デザインカンパニー 代表取締役
渡邉ひとし
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〔投稿内容〕
投稿文の数字及び企業名などは
日経新聞などの公開情報に基づいた
記述に徹しています。
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