こんにちは。
渡邉ひとしです。
第317話のテーマは
『事業哲学の転換』です。
(ビジネスモデル=月曜・金曜の平日投稿)
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「ヒルズ」というビジネスコンセプト
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森家の生業は「米穀店」でしたが
借地権付建物の買収を始めて
不動産賃貸業に進出しました。
1946年に
家業を引き継いだ森泰吉郎氏は
地価が高騰することを予想して
虎ノ門周辺の土地を買い進め
港区を中心に土地の整理や
ビル建設に取り組みました。
1955年に
創業者である森泰吉郎氏が
<森不動産>を設立しました。
1956年に
現在の<森トラスト・ホールディングス>
になる<泰成>を設立しました。
同じく1956年4月に
「西新橋2森ビル」を竣工しました。
1986年に
「赤坂アークヒルズ」が完成しました。
◉ 御殿山ヒルズ(御殿山トラストシティ)
◉ 城山ヒルズ(城山ガーデン)
◉ 愛宕山ヒルズ(愛宕グリーンヒルズ)
◉ 元麻布ヒルズ
と続けて完成させて
2003年に
「六本木ヒルズ」を完成させました。
1993年に
創業者の森泰吉郎氏が亡くなり
次男の森稔氏が<森ビル>
三男の森章氏が<森ビル開発>や
<森ビル観光>を継いでいます。
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森ビルのビジネスモデル
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2017年5月に
『東京都都市計画審議会』は
東京都港区の虎ノ門・麻布台エリアの
開発計画を決定しました。
<森ビル>が高さ330メートルの
65階建て高層ビルなどを建てる計画で
2022年度の完成時には
日本一高いビルになるとされています。
オフィスや住宅のほかに
生徒数は約1200人を想定する
インターナショナルスクールなどの
外国人向け施設を充実させることで
外国人が家族と暮らしやすい街づくりを
目指しています。
都市計画の手続きを迅速化する
国家戦略特区のプロジェクトに
位置づけられているため
容積率は2000%程度までの
緩和を受けることができます。
同じく2017年5月に発表した
「2017年3月期」の連結決算は
純利益が前期比50%減でした。
「虎ノ門ヒルズ」周辺の再開発に伴う
固定資産関連などの
一時費用の発生が影響しています。
2017年8月に
インドネシアのジャカルタで
高さ266メートルの高層ビルを
建設すると表明しました。
2021年の完成を目指していますが
オフィスビルを東南アジアで
開発するのは初めてになります。
同じく2017年8月に
森タワーや新設する2つのビルと合わせて
「虎ノ門ヒルズ」が
一大拠点になることを表明しました。
2014年に開業した森タワーに続いて
オフィスビルのビジネスタワーと
住居中心のレジデンシャルタワーが
東京五輪前に完成する予定です。
これに
虎ノ門ヒルズの中核となる
「虎ノ門ヒルズ ステーションタワー」が
2022年度に加わることで
「虎ノ門ヒルズ」が完成します。
住宅部分は720戸程度となり
巨大なビジネス拠点が誕生します。
ステーションタワーは東京メトロ日比谷線の
「虎ノ門新駅」と直結して
銀座線虎ノ門駅まで地下通路でつながり
ビジネスタワーには臨海部と都心部を結ぶ
バス高速輸送システムの
ターミナルができる計画です。
同じく2017年8月に
高層ビル「愛宕グリーンヒルズMORIタワー」
の40階にベンチャービジネスの支援拠点
「イグニッション ラボ ミライ」を
オープンしました。
自由に席を選べる共用オフィスや
モニター画面とホワイトボードを備えた
ミーティングルームなどを用意しています。
アメリカのシリコンバレーを本拠地にした
ベンチャービジネス投資や
育成事業を手掛ける<WiL>との連携です。
起業家同士の交流や
大手企業との連携を促して
ベンチャービジネスを将来の
有力テナントに育成する狙いです。
60年前の1957年に
東京大学教育学部の学生だった森稔氏は
父親の泰吉郎氏が建設した
森ビルに管理人として住み着きました。
そのとき屋上にいたのが
<リクルート>創業者の江副浩正です。
江副氏は森稔氏の2年後輩で
大学新卒者向けの求人広告の会社を
起業しようとしていました。
「江副のため」と森稔氏はポケットマネーで
森ビルの屋上にペントハウスを建設し
安く貸し出しました。
「ヒルズ=成長企業」のブランドが成立する
切っ掛けとも言えるエピソードです。
2018年5月に発表した
「2018年3月期」の連結決算は
純利益が前期比46%増でした。
オフィスや住宅の賃貸事業で
稼働率と単価が高水準を維持できて
複合商業施設「GINZA SIX」の開業や
ホテル事業も好調でした。
現在の<森ビル>が着手または検討を進める
都心の大型再開発は約10件ですが
広大な敷地にたくさんの住民や企業が
存在する物件ばかりです。
都心回帰が進んでいる現状では
何ら問題はありませんが
東京都の人口は2025年をピークにして
減少に転じると言われています。
少子化や人工知能の導入で
これから働き手の減少が進めば
オフィスが余る可能性もあります。
2025年以降の東京都心開発を
どのように進めていくか?
これまでの成長モデルであった
東京都心での大規模開発という
ビジネスモデルの転換が求められています。
(*次回投稿は11月19日月曜です)
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【経営の無料相談2時間:連絡先】
ブランド経営コンサルタント 渡邉ひとし
(株)未来デザインカンパニー 代表取締役
E-mail:mirai-design@ogaki-tv.ne.jp
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今日の事例で何を学べるでしょうか?
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人口減少化の影響を受ける企業は……
それまでのビジネスモデルが
通用しなくなることは明らかである。
これまでの事業哲学の転換を含めた
新たなビジネスモデルを
構築することが求められる。
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◉理想のお客様 ◉協力者 ◉主要活動
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経営コンサルタント(ブランド経営)
(社)ビジネスモデルイノベーション協会
公認ジュニアコンサルタント
愛知産業大学 非常勤講師
中部大学 非常勤講師
株式会社 未来デザインカンパニー 代表取締役
渡邉ひとし
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〔投稿内容〕
投稿文の数字及び企業名などは
日経新聞などの公開情報に基づいた
記述に徹しています。
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