こんにちは。
渡邉ひとしです。
第224話のテーマは
『2本目の柱を立てる』です。
(ブログ=月水金の平日投稿です)
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放送局(TBS)が出資した会社
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<ソニー>の創業時は
<東京通信工業>という社名でしたが
<東京エレクトロン>という会社を
あなたは、ご存じですか?
1963年に
<東京放送(TBS)>が出資して
<東京エレクトロン研究所>を設立。
1976年に
米国<サームコ>との合弁会社が
世界初の高圧酸化装置を開発。
1978年に
<東京エレクトロン研究所>から
<東京エレクトロン>に社名を変更。
1990年に
液晶ディスプレイ製造装置の
製造に本格的に進出して
現在では
フラットパネルディスプレイ製造装置や
半導体製造装置を開発・製造・販売。
この分野では国内トップであり
世界ランキングは3位の会社です。
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<東京エレクトロン>のビジネスモデル
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1963年に
元日商岩井の小高敏夫氏と久保徳雄氏が
<東京放送>の出資により創業。
当時は
自動車向けのラジオなどを
取り扱う商社でしたが
1983年から
米国<サームコ>との合弁会社である
<テル・サームコ>が
「半導体製造装置」の製造を
本格的に始めています。
事業の主体が創業当時の
「商社」機能から変わってきたため
1999年には 東京証券取引所の業種を
「商業」から 「電気機器」に変更しています。
2016年の4−6月期は
純利益が前年同期比35%減でした。
これは不幸であった熊本地震による
工場の被災の復旧費用が影響しています。
しかし一転して
2016年の夏には
主力の半導体製造装置が
大手半導体メーカーの開発投資のため
多くの受注を抱えるまでになりました。
さらに
中国の大型液晶パネルのメーカーが
設備投資を進めていたため
ディスプレー製造装置の受注も
活況を呈していました。
2017年3月期には
純利益が前期比48%増の
1152億円となり
9年ぶりの最高益になっています。
これは
IoTが本格化してきたため
大量のデータを保存・解析する
サーバー向けの需要が高まって
<サムスン電子>などの
大手半導体メーカーが
大量生産の投資を始めたことが
おおきく影響しています。
従来の半導体メーカーは
パソコンやスマホなどの機器に
依存した受注状況だったため
それらの機器の売れ行きに
おおきく左右されていましたが
「IoT」には
そういった不安定さはなく
車載機器や仮想現実などにも
半導体の用途が広がっているため
投資計画を積み重ねやすくなり
安定した需要が見込めるようです。
これらの好調な
受注状況を受けて
2020年3月期までの中期経営計画を
2017年5月末に上方修正して
売上高:1兆2000億円
営業利益率26%の目標を掲げました。
さらにこの好況を受けて
2017年7月に人事制度を刷新。
従来からある
勤続年数に影響される給与ではなく
仕事内容に対応して支払う
成果対応型の給与体系に変更しました。
<東京エレクトロン>の海外拠点にも
同時に導入しますが
優秀な人材の獲得や
国境を越えた人材の
適切配置ができるようにするためです。
この人事制度の改定で
競争力を高めることが狙いです。
2018年3月期の
設備投資と研究開発費を上積みして
前期比4割増しの1500億円という
6年ぶりの過去最高額になっています。
昨年12月に
半導体製造装置の世界市場が
約6兆3千億円となり
17年ぶりに過去最高を更新すると
国際半導体製造装置材料協会が発表。
いまでは半導体が
金融、医療、自動車など幅広い産業に
使われるようになっています。
さらには
次世代通信規格が『5G』になるため
半導体の需要は
ますます高くなることが見込めます。
今年1月には
2018年3月期の営業利益率を
24%まで改善すると見込んでいます。
現在は
半導体製造装置への「選択と集中」で
利益率を高めていますが
世界首位のアメリカの
<アプライドマテリアルズ>との
経営統合を断念することになりましたが
結果的にこのことが功を奏しています。
というのも
統合の交渉の過程で
電子部品商社の子会社である
<東京エレクトロンデバイス>の
出資比率を引き下げました。
もうひとつは
2012年に太陽電池製造装置で
世界3位だったスイスの
<エリコンソーラー>を買収しましたが
太陽光発電パネルの値崩れのため
太陽電池からの撤退を早期に決断。
これらのことにより
連結業績への影響が縮小されたことで
営業利益率を高めているのです。
今後は半導体製造装置事業以外の
2本目の事業の柱を何にするか?
当分続くであろう事業好調のもとで
現在のビジネスモデルは継続しますが
2本目の事業の柱になる
種をまいて成長させることで
次の段階のビジネスモデルを
構築していく必要があります。
(次回ブログ=26日金曜に投稿します)
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このことから何を学べるでしょうか?
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「選択と集中」を終えて
強い事業の柱を持つ会社は……
2本目の柱を立てるため
次の段階に進む必要がある。
将来的に続くと思われる事業も
あらたな社会の仕組みや
革新的な技術の登場で
退場を余儀なくされる可能性がある。
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