こんにちは。
渡邉ひとしです。
第218話のテーマは
『食器事業の復活を目指す』です。
(*ブログ=月水金の平日投稿)
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森村グループを知っている人
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おそらく名古屋で
「森村グループ」のことを聞けば
多くの方がご存知だろうと思います。
◉洋食器のノリタケ
◉衛生陶器のTOTO
◉絶縁体の日本ガイシ(NGK)
◉点火プラグの日本特殊陶業(NTK)
の4社を中核とする
企業グループのことを指します。
それぞれ時期は違いますが
4社の広告の仕事を担当しました。
なかでも洋食器の
<ノリタケカンパニーリミテド>は
名古屋のオアシス21の近くに
「ノリタケ栄店」があり
資料の入手や商品の借用などで
ときおり足を運ぶことがありました。
当時の社名は<日本陶器>でしたが
「ノリタケ栄店」に入ると
独特の気品の高さを感じました。
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<ノリタケ>のビジネスモデル
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<日本陶器>の創業は1904年なので
すでに114年の歴史になります。
日本初のディナーセットが
1914年に完成しているので
<日本陶器>の洋食器の歴史は
今年で104年になります。
前述の「森村グループ」の4社は
資本関係もなく独立した企業ですが
2016年7月に
セラミックスの3Dプリンターを
4社で開発することにしました。
4社の祖業は<日本陶器>ですから
当然ですが「セラミックス」事業です。
セラミックスの3Dプリンターという
あらたな技術開発のため
4社が結集したことになります。
初代社長を務めた大倉和親氏が
式典で話した中で
「何ごとによらずナンバー・ワン
すなわち我を越す者は無しとなった時
知らず知らずのうちに
心のユルミが起こりやすい」
という言葉がありますが
その大倉氏の言葉を守るように
<ノリタケ>は
日本初の洋食器事業だけではなく
工業用砥石なども開発しています。
2016年8月には
名古屋駅の近くにある複合施設の
「ノリタケの森」を改装オープン。
洋食器や和食器を
展示販売するための拠点として
約2億円をかけて改装しています。
2017年7月には
オーストラリア航空大手の
<カンタス・グループ>と共同開発した
従来より11%軽量にした
16種類の陶器を発表しました。
飛行機の燃料費の軽減になるため
他の旅客機へも利用を広げる計画です。
同じ8月には
工業用砥石などが中国の鉄鋼や
自動車向けで引き続き好調なため
増収増益になっています。
昨年秋には
約6億円を投資して
老朽化した設備を入れ替え
ラインの増設をするなど
化学メーカーから引き合いの強い
「触媒担体」の生産能力を
1.5倍に引き上げています。
これらのことから
2018年3月期の連結売上高は
前期比2%増の1110億円の見込み。
純利益は
再開発に伴う土地売却益も含んで
150億円を見込んでいます。
このように業績は順調ですが
祖業である「高級洋食器」事業は
赤字が続いています。
消費者の生活スタイルの変化により
ディナーセットの需要が急減。
安い海外製品などにも押されて
低空飛行が続いているのです。
従来の個人向け販売は
百貨店や食器専門店での扱いでしたが
インターネットやSNSでの
情報発信で販路拡大を図っています。
小倉忠社長は
「祖業である食器にこだわりたい」
と復活に向けて意欲を示していますが
<ノリタケ>の社是である
『良品・輸出・共栄』が示すが如く
これから生活水準が上昇してくる
新興国に進出するなど
海外での売上を伸ばすことと
「高級洋食器」の国内需要を
高めるための手を打たなければ
ふたたび 「高級洋食器」での事業復活を
実現することは不可能でしょう。
「高級洋食器」のビジネスモデルを
再構築することが喫緊の課題です。
(*次回ブログ=12日金曜に投稿)
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このことから何を学べるでしょうか?
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祖業復活のためには……
新規顧客の開拓や
商品の再開発などの
あらたな手を打たなければ
ふたたび復活することは
ありえないと考えるべきである。
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