こんにちは。
渡邉ひとしです。
第205話のテーマは
『偏ったビジネスバランス』です。
——————————————————
<清水建設>で思い出したこと
——————————————————
昨日は午後から
<中部大学>で授業でしたが
その<中部大学>の施設を対象にした
スマートグリッド・システムの構築に
2012年7月から5年にわたり
<清水建設>と共同で取り組んでいます。
具体的には<中部大学>の
工学部情報工学科の協力を得て
AI技術の活用による建物の電力需要を
高精度に予測するシステム開発です。
この取り組みを知ったとき
数年にわたって<清水建設>の
「名古屋支店100周年」と
「名古屋兼喜会70周年」の
記念誌を製作したときのことを
思い出しました。
週に数回ほど
支店を訪問することがありましたが
親身になってご対応いただけたことを
懐かしく思い出しています。
——————————————————
<清水建設>のビジネスモデル
——————————————————
ゼネコンの大手4社といえば……
<鹿島>
<大成建設>
<大林組>
そして<清水建設>ですが
2017年4~9月期の
連結決算の純利益は過去最高でした。
これは2020年の
東京オリンピックに向けて
首都圏の再開発などで
建設の需要が高まっているからです。
建設需要だけではありません。
2012年3月期から
建築着工の単価は2割伸びています。
しかし、その一方で
人手不足は深刻になっていて
2025年には300万人程度が
必要とされる技能労働者のうち
90万人以上も不足する
という試算があるぐらいです。
もちろん何も
手を打たないわけではありません。
ひとつは
給与アップで人材を確保します。
建設業のなかでも
最高額の給与は<清水建設>ですが
<清水建設>の平均給与は
966万円で前期比の6.6%アップ。
民間企業全体の平均給与は
2015年で484万円ですから
約2倍の平均給与になります。
2つ目は
「週休2日」の働き方改革です。
建設業では「週休2日」が
まだ普及していない現実があります。
日本建設業連合会では
「週休2日推進本部」を設置して
「週休2日」を推進する
働き方改革に取り組んでいます。
3つ目は
ロボットの活用です。
来年の2018年から
ロボットを建築現場に導入します。
◉鉄骨を自動で溶接できるロボット
◉資材を作業場所まで運ぶ搬送ロボット
◉資材の積み替えをするロボット
これらのロボットを導入することで
必要な技能労働者を約7割も
減らすことができるといいます。
しかも自律型ロボットのため
現場担当者がタブレットで操作できます。
4つ目は
人工知能の活用です。
アメリカのベンチャーキャピタルの
<ドレイパーネクサスベンチャーズ>に
出資することで
人工知能などの共同開発を目指します。
さらには名古屋大学と共同で
掘削機を無人操作できる
技術開発に取り組み
掘削機のオペレーター操作を
7割近く再現できるソフトを
開発しました。
このように
こんごは高齢化にともない
熟練工が大量に退職することが
予測されているので
働き方改革をすすめながら
人材を確保していき
建設現場の省人化にも取り組み
労働力の確保を目指しています。
しかし
一方では<清水建設>の
先行きに不安も残ります。
2020年以降の建築需要が
長期的に見ると縮小傾向が
予測されていることです。
建設とは『建設=建築+土木』
という図式になります。
このなかで<清水建設>は
「建築」の占める割合が78%と
他のゼネコンと比べて
最も高い建設会社なのです。
他のゼネコンであれば
建築需要が低下しても
土木の需要が安定していれば
業績への影響は小さくなりますが
<清水建設>のばあいは
その影響がおおきくなります。
そのため<清水建設>は
昨年2016年11月には
自社物件や賃貸ビルを対象に
電力小売事業を開始しました。
アメリカのベンチャーキャピタルに
3億円を出資して
人工知能やロボットなどの技術で
省人化を急ぎます。
さらには
首都圏を中心にオフィスビルや
物流施設を自社で建設・保有し
テナントから賃料収入を得る
不動産の投資開発事業を拡大します。
このように
建築需要一辺倒の
偏った事業バランスから脱却した
あらたなビジネスモデルを
模索しはじめています。
この取り組みが進めば
<清水建設>の業績の将来性に
期待をもつことができます。
(*ブログ=土日祝日を除く平日)
——————————————————
このことから何を学べるでしょうか?
——————————————————
強みを持つ会社は……
その強みを発揮することで
高い業績を残すことができる。
しかし
その強みに逆風が吹いた時には
強み以外の事業で
業績をカバーする必要がある。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
◉Amebaブログ:
http://ameblo.jp/rabbit-g
◉Ameba0wnd:
http://www.shikumi.solutions
◉Facebook:
https://www.facebook.com/rabbit.hitoshi
◉Facebook頁:
https://www.facebook.com/hitoshi.business.model
===========================
【経営の3原則】
ミッション:会社の目的
ビジョン :会社の目標
バリュー :会社の行動指針
===========================
【ビジネスモデル9項目】
◉理想のお客様◉協力者◉主要活動
◉選ばれる理由◉収益 ◉チャネル
◉提供する価値◉コスト◉経営資源
===========================
【ビジネスモデル進化論】
強い者が生き残るのではない
賢い者が生き残るのではない
進化した者だけが生き残る
===========================
【ビジネスモデル活用法】
現象をみるのではなく
本質をみることで
なすべきことが理解できる
===========================
【ビジネスモデル発想法】
今日という日は
未来のスタート地点である
===========================
経営コンサルタント
中部大学 非常勤講師
愛知産業大学 非常勤講師
岐阜県公認コミュニティ診断士
ビジネスモデルイノベーション協会公認
ジュニアコンサルタント
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
株式会社 未来デザインカンパニー
代表取締役 渡邉ひとし
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
〔投稿内容〕
投稿文の数字及び企業名などは
新聞などの公開情報に基づいた
記述に徹しています。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
