こんにちは。 

渡邉ひとしです。 

 

第197話のテーマは 

『将来を見据えた決断』です。 

 

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師匠のビールは「一番搾り」 

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ふたりめの師匠は 

通称「きんちゃん」と言われてましたが 

 

カラオケでマイクを持つと 

プロ並みに唄える師匠でした。 

 

夕方から飲みにいくお店は 

名古屋でも、岐阜でも 

その土地の行きつけの居酒屋さん。 

 

当時は「とりあえずビールで乾杯!」 

という時代でしたから 

ビールにもこだわりがあります。 

 

師匠が注文するビールの銘柄は 

<キリンビール>の「一番搾り」。 

 

私が愛飲しているビールは 

<アサヒビール>の「スーパードライ」。 

 

しかし 

師匠と一緒に飲む「一番搾り」は 

最高にうまいビールです。 

 

5軒の店をハシゴする 

ひとり目の師匠とは違って 

 

「きんちゃん」は2軒で終了しますが 

行きつけのスナックで午前2時まで。 

 

午前0時に近づくと 

同じ会社の仲間たちが10数人集まり 

 

カラオケでハモったり 

合唱したり 

 

曲のジャンルは問わず 

歌のうまさはプロ並みのメンバーです。 

 

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<キリンビール>のビジネスモデル 

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<キリンビール>「一番搾り」の 

テレビCMキャラクターが 

 

『嵐』(ジャニーズ事務所)から 

俳優の「堤真一」氏に変わった。 

 

記憶の中では 

「47都道府県の一番搾り」の 

CMイメージが強く印象に残っている。 

 

もちろんCMキャラクターが 

変わっただけではなく 

 

「一番搾り」そのものが刷新され 

7月下旬の製造分から 

「新・一番搾り」に変わっています。  

 

メーカーの説明では 

「雑味・渋味が減ってより一層 

 麦本来の旨味が味わえる」 

 

では、なぜ 

『嵐』から『堤真一』に 

CMキャラクターを変えたのか? 

 

「一番搾り」の販売量が2013年まで 

9年連続で減少していましたが 

 

『嵐』をCMキャラクターに 

起用してから3年連続で販売が増加。 

 

それでも『変える決断』をしたのは 

マーケティング部の山形光晴部長による 

徹底したマーケティングリサーチから 

 

「一番搾りの原点」である 

 「味や製法へのこだわり」に 

立ち戻るべきと決めたからでした。 

 

そして

「一番搾り」の購入者の60%が

40~50歳の年代なのです。

 

売れている商品「一番搾り」を 

味もパッケージもCMキャラクターも 

 

すべて変えてしまうのは 

とてもリスクが高い決断ですね。 

 

しかし<キリンビール>の 

布施孝之社長の決断には 

 

さらに先を見据えた 

深慮遠謀<注1>があったようです。 

 

2026年には税制改正により 

350ml当たりの酒税が 

 

◉77円のビール 

◉47円の発泡酒 

◉28円の第3のビール 

 

の分野に別れていますが 

一律54円に集約されます。 

 

そうなったときに 

どのような現象が起こるかといえば 

 

それぞれの分野で 

1位2位のブランドしか生き残れない。 

 

ビールメーカー各社のトップは 

そのような厳しい時代が来ることを 

予測しているのです。 

 

そのような時代が来たとき 

どのように考えれば良いかというと 

 

毎年、新ブランドのビールを 

発売している時代は終わりを告げ 

 

各社が主力商品を決めて 

その商品ブランドの強化に 

努めなければならなくなります。 

 

その主力商品を 

<キリンビール>は「一番搾り」に 

決めたということになります。 

 

3年連続の販売増加にもかかわらず 

現状に甘んじることなく 

将来を見据えた大きな決断です。 

 

ますます複雑化する社会のため 

予測しにくい経済的損失を 

与える要素が増大していますが 

 

これをどれだけ回避できるかという 

リスクマネジメントが不可欠です。 

 

2026年の税制改正に向けて 

販売競争の軸足を 

 

「価格から質」へ転換すると 

布施社長は明言しています。 

 

ビールの販売は 

「景気」「天気」「人気」の 

3つの気に左右されると言われますが 

 

来年の2018年春には 

クラフトビール専用サーバーを 

飲食店向けに全国展開します。 

 

ビールを取り巻く環境が 

厳しくなっていますが 

 

クラフトビールの需要は 

年々拡大の傾向にあります。 

 

自社のクラフトビールだけではなく 

他社のブランドも扱います。 

 

いま<キリンビール>は 

このような販売促進の手を打ちながら

 

あらたなビジネスモデルを

構築することが求められています。 

 

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*注1=深慮遠謀 

深く考えをめぐらせて 

遠い先の未来のことを見通して 

手抜かりのない計画を立てること。 

 

 (*ブログ=土日祝日を除く平日) 

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このことから何を学べるでしょうか? 

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業績が低迷し始めたとき…… 

それまでの業界の常識や 

いままでの会社の常識を 

一度見直す必要がある。 

 

それまでの業界の常識は 

それまでの時代や社会背景のなかで 

通用してきたことを認めて 

 

これからの時代や社会背景を 

予測したなかで 

あらたなビジネスモデルを 

構築する必要がある。 

 

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株式会社 未来デザインカンパニー  

代表取締役 渡邉ひとし 

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