『どうして、この色を使ったの……?』

『自分が好きな色だからって……誰の広告なんだよ!』


前職の、広告業界で働いていたとき

広告代理店のCD(クリエイティブディレクター)に

広告企画を見せたときの言葉です。


このときの相手は、「仕事の師匠」ですが

前日の、『(2)広告はロジカルシンキングである』に続き


今日は、『(3)最優先することは、顧客の要望を叶えること』

について、お話ししたいと思います。


それでは、質問です。

冒頭の言葉は、どんな意味だと思いますか?


デザインや、コピーライティングを

仕事にしている方であれば

すぐに理解できたかもしれませんね。


それでは

師匠に教えていただいたことを説明しますね。


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(3)最優先することは、顧客の要望を叶えること

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デザインやコピーライティングをするときに

比較的、おちいりやすい間違いがあります。


よくあるパターンは

自分の好みで、デザインやコピーを書くことです。


デザイナー(コピーライター)は

就職してから数年(3〜5年)は

自分の能力に自信が、なかなか持てないようです。


私(プロデューサー的立場)からみると

才能があると思えても

本人に自信がなければ、何もできません。


その状況にある、デザイナー(コピーライター)は

自信を持とうとして、もがきながら

自分らしさをつくろうとすることが多く


その結果として

自分の好みの色や

自分の強みを持つ世界(表現手法など)へ

力を注いでいたようにみえました。


しかし

これが、どのようなことになるかと言えば


冒頭のクリエイティブディレクターの言葉のように

自分好みのデザイン表現になるのです。


それが、なぜ、いけないのか?


それは

お客様を見ていないからです。

お客様の要望を、最優先していないからです。


もう少し、ひどい場合は

『お客様の好みはピンクなのに、どうしてグリーンなんだ?』

『だって、ピンクなんて、気持ち悪いですよ〜。』

こんな調子になります。


なにが、いけないか。 もう、お分かりですね。

この兆候は、コピーライターにもあります。


もちろん

例外のデザイナーやコピーライターは存在しますが

多くの人が、間違った方向へ努力を重ねてしまいます。


レベルの高いデザイナー(コピーライター)は

企画を考えるための、3つのポイントを

しっかりと抑えています。


3つのポイントとは


① 自分の役割は、お客様の、本当の悩みを見つけること

② 自分の役割は、お客様の、本質的な解決策を考えること

③ 自分の役割は、お客様の要望を、期待以上に叶えること


昨日の、私のブログに登場した

デザイナーの Tくんと

コピーライターの Kさんは


これら、3つのポイントをクリアするために

朝から夜まで、資料を基にして


(ケンカのような)議論を重ねていたのです。


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「風変わりな人」に思えた、師匠

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私が師匠(前述のクリエイティブディレクター)と

一緒に仕事をするようになったのは29歳の時でした。


それまでにも、広告代理店の

デザイナー、コピーライター、プランナーという

多くのクリエイターと一緒に仕事をしていましたが


師匠(勝手に師匠と思っています)は

まったく異質な存在でした。


たとえば、服装はラフな格好ではなく

いつもネイビーのスーツを着て

シックなネクタイをしていました。


少し興味があったので、理由を聞くと……


『お客様関係で、突然の訃報を聞いた場合でも

 ロッカーに常備してある、黒いネクタイを締めれば

 すぐに駆けつけることができるからだよ。』


思ってもいなかった言葉が、かえってきました。


ちなみに、私の後輩社員の女性が

『Hさん、いつも同じスーツですけど……

 他にスーツは持っていないんですか?』


苦笑いしながら

『これは、オーダースーツで

 1週間分の同じスーツを誂(あつら)えてあるよ。』


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師匠に教えられたクリエイターたち

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師匠の仕事のやり方は


・プロダクションのクリエイターたちを

  クライアントへ同行させる


・帰路につくとき

  クリエイターたちに質問を投げかける。


・翌日以降、プロダクションまで足を運び

  クリエイターたちから企画意図を聞く。


・その場で、良し悪しを判断して

  その理由(コトの本質)を説明する。


・後日、プロダクションまで足を運び

  修正された企画意図と、広告案を聞く。


・その場で、良し悪しを判断して

  その理由(コトの本質)を説明する


これを繰り返すことで、前職の会社の

クリエイター(デザイナー、コピーライター)たちは


・広告企画とは、どのようなものか?

・企画書は、どのように考えて、どのように作るのか?

・広告表現は、どのように考えるのか?


これら、基本中の基本を

ひとつひとつの仕事を通して

ひとりひとりが叩き込まれていきました。


おかげさまで

業界でも、少しは知られた、プロダクションになりました。


多くの優秀な学生が就活にきてくれたので

新入社員採用で、困ったことはありませんでした。


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▼ このことから、わたしたちは何を学べるでしょうか? ▼

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◉わたしたち(2代目社長)が学べることは……


経営は、「お客様が第一である」

ということです。


つい、自社の強みや

自分たちの都合の良い方法などに目が向いていて


私のような立場からみると

「お客様を見ていない」

「お客様の都合を考えていない」


そう、思えることが、しばしば起こります。


やはり

・お客様が存在するから、自社が存在できる!

・お客様の都合に合わせるためには、なにができるのか?

・お客様の好みが、どのように変わったのか?

などなど。


お客様の、「いまの要望」をつかむことが第一です。


経営は「お客様が存在してこそ、成り立つ」ことを

再認識しましょう。


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当たり前のことを、当たり前にやる!


経営の本質、経営の王道。

経営に「近道」はありません。


経営の本質を見つめ、経営の王道を歩んで行きましょう!


そのためには、

良き相談相手を見つけることが、もっとも重要です。

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★2代目社長を応援する会/代表/渡邉ひとし

 <頑張れ、2代目社長!>

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経営コンサルタント(ビジネスモデル構築コンサルタント)

一般社団法人ビジネスモデルイノベーション協会会員

愛知県商工会連合会 エキスパート講師

岐阜県公認 コミュニティ診断士

愛知産業大学 非常勤講師

中部大学 非常勤講師

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株式会社 未来デザインカンパニー 

代表取締役 渡邉ひとし

お問い合わせ:rabbit@ogaki-tv.ne.jp (ご質問・ご感想)

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