『遠慮があった……』
富士フイルムホールディングスの助野社長が
子会社である富士ゼロックスの会計不祥事を受け
記者会見で言った、表現だそうです。
「富士ゼロックスの自主性に任せた経営」に対し
思わず出た言葉だろうと推察します。
ときおり(時折)、企業の方から
社内の有志へのクローズドセミナー(*注❶)を
依頼されることがありますが
「ビジネスモデル」がセミナーテーマになる場合
必ずと言っていいほど
<富士フイルム>を事例に取りあげます。
(大学の授業でも、この事例を講義します。)
少しだけ、説明をすると……
1934年に富士フイルムが設立され
その事業の主力は写真フィルムでした。
創業当時は
写真や映画フィルムの国産化を目指していたので
関連事業の
「レントゲンフィルム」や「印刷フィルム」も含め
写真フィルムに強いメーカーとして有名でした。
したがって
『フィルムのリーディングカンパニー』が
企業としての目標になります。
しかし、2000年ごろから
デジタルカメラが普及しはじめ
急速に、写真フィルムの需要が落ち込みます。
それまでの写真フィルム関連の売上は
全体の売上の60%で
利益は3分の2を占めていました。
そこで
写真フィルムを主体とする事業から転換するため
今までの事業と、これからの事業を見直す
『事業の再構築』をしたのです。
そして
「フィルムのリーディングカンパニー」から
「総合ヘルスケアカンパニー」へと
『事業の再定義』をしたことで
さらに、大きく成長することができました。
今では
「新たな価値を創造するリーディングカンパニー」
をビジョンとして掲げています。
今回の富士ゼロックスの会計不祥事で
富士フイルムホールディングスの古森会長が
富士ゼロックスの会長を兼務しますが
実は、先ほどの
富士フイルムの事業を大転換させたのは
この古森会長が社長だった時代に構想し、実現させました。
今後は
富士ゼロックスの「自主性に任せてきた経営」を
名実ともに、富士フイルムホールディングスが
親会社として企業統治していくことになるでしょう。
今までの、富士ゼロックスの事業を見直し
「事業の再構築」と「事業の再定義」にまで
及ぶことになるのか、注目して行きたいと思います。
今までの事業を、「守ること」は
決して悪いことではありませんが
一度、立ち止まって見直すことも必要です。
・「勇気」をもって
・「知恵」を働かせ
・「覚悟」を決めて
今の事業を見直してください。
当たり前のことをする。
これしかありません。
経営の本質、経営の王道。
経営に「近道」はありません。
経営の本質を見つめ、
経営の王道を歩んで行きましょう!
そのためには、良き相談相手を見つけることが、
もっとも重要です。
[頑張れ! 2代目社長!]
☆2代目社長を応援します☆
*注❶ クローズドセミナー
誰でも参加できる「オープンセミナー」に対して
特定の要件を満たした人だけが参加できるセミナーのこと。
