イーストウッド監督の作品にハズレはない。そう思ってはいるのだけど重たいイメージもあるのでなかなかレンタルの棚に手が伸びない。最近、この作品について書かれたものを目にしたことが連続であった。それで興味をひかれて観てみた。あらすじを聞いて、しかもこれが実話であることを知ると、みなさんもそうなるのではないだろうか。
1928年のロサンゼルス。クリスティン(アンジェリーナ・ジョリー)の息子ウォルターがある日行方不明となる。クリスティンは警察に捜索を依頼し、5か月後、発見されたとの朗報が届く。喜び勇んで迎えに行くと警察が連れてきた少年はウォルターとはまったく別の少年だった。それを警察に主張しても取り合ってくれず、クリスティンは強制的に精神病院に収容されてしまう。
チェンジリングを訳すと「取り替えっ子」になる。ヨーロッパの伝承で、妖精が人間の赤ちゃんと自分の子供を取り換えることをいう。妖精といっても、フェアリーというよりゴブリンの類のものだと思う。取り替えられた子は成長するごとに、暴力的になったり顔つきが邪悪になったりするという。
我が子が取り替えられたことに気付いた親はどうするか。子供を邪険に扱い、ときには火にくべようとすると、妖精が「こんな人間のところに自分の子を預けられない」といって子供を返してくれる。実際にヨーロッパでは、この伝承をもとに子供の焼殺事件が起こっている。僕はこれを子供のころ「妖精の本」で読んでゾッとした。今から考えると、口減らしなどの理由で子殺しをおこなう口実にしていたのではないだろうか。
この伝承も恐いが、実際に実話であったこの事件の方がもっと恐い。少年誘拐殺人鬼と警察の不祥事、ふたつの恐ろしい事件が同時に起こったのだ。普通に考えれば前者が圧倒的に恐いはずなのに、失態を隠すため人間ひとりを社会的に抹殺しようとする警察の方が恐ろしく描かれている。それにしてもいくら自分や組織を守るためとはいえ、子を失って取り乱す母親の姿を見て、担当刑事は何も思わないんだろうか。でもこの警官も実際にいて停職処分を受けている。
イーストウッド監督は題材選びがうまいし調理の仕方もうまい。この恐ろしい事件を映画作品として昇華させている。監督のよさは、どんなに大きな事件でも、ただただ起こったこととして淡々と描くところにある。波乱万丈な人間の一生でも、監督の手にかかればフラットなものとして捉えられそうな気がする。無情とも無常ともどちらでも表現できる。監督の作品は、厳しいわけでもなく、優しいわけでもなく、ただただ見つめるだけの眼差しを感じてしまうのだ。
この作品では、殺人鬼も不祥事警官も必要以上に叩く演出はされていない。その分、悪をやっつけて「ざまあみろ」というカタルシスの解消を求める人には物足りないかもしれない。
田中 徹矢
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