先日、私が働いている施設で最年長だったKさんが亡くなりました。
あと1ヶ月で105歳を迎えるはずでした。

Kさんは2ヶ月前まで、ADLは全て自立、車椅子も使う事なく、認知症もありませんでした。
たまに寝坊してしまい、ご飯に来ないKさんを介護さんが呼びに行くくらいで、私達の手を借りる事もほとんどなく、風邪すら引きませんでした。

そんなKさん、2ヶ月前から少しずつ食事が摂れなくなり、ご家族と以前からのご本人の希望で、施設でのお看取りの方向になっていました。

食事がほぼ摂れず、水分も摂れず、何か食べたいものはないか聞くと、「美味しいものが食べたいね〜。赤貝のお寿司が食べたい。」と口にするようになったKさん。

全然食べられないけど、食べたいものがあるのなら!っとお寿司屋さんに一緒に行った時、本当に美味しそうに5貫も食べてくれて、職員みんなで驚いて喜びました。

状態はだんだんと悪くなって行き、トイレに1人で行くのも難しくなり、夜間1人でトイレに行こうとして、転んでしまったKさん。

そんなKさんとお話しすると、「お漏らしはしたくない、トイレの事だけは人に迷惑をかけたくない。」と仰いました。

100年以上生きて来て、最後に辛い思いをして欲しくない。最後までKさんの思うようにしてあげたい。
そんな思いでポータブルトイレをベッド横に設置しました。

そして、Kさん。亡くなる前日までご自分でポータブルトイレに行っていました。
失敗ももちろんありましたし、立つのもズボンの上げ下げも、人の手が必要にはなっていましたが、ちゃんとやり通したんです。

本当はトイレに起き上がるのも辛い状態だったと思います。でも、ちゃんと自分の思いを貫き通したKさん。本当に素晴らしかったです。


Kさんは、最後まで私たちに教えてくれました。
どんな状況でも、状態でも、私たちに出来る事は必ずある。
決して諦めない決意があれば。

本当はこんな事当たり前なのでしょうけど。
でも日々の業務に流されていると忘れてしまう、でも絶対に忘れてはいけない事です。


この事を忘れずに、日々を大切にこの仕事をしていく事が、唯一「私たちに出来る事」なのかもしれません。