現役では私の最も好きな騎手だった。
あっと驚く騎乗。
ユーセイトップランでの府中3角まくりは語り草。
喜怒哀楽を表に出し、ユーモアを交え報道にも出た。
そして事件も起こした。
しかしその後もテレビに出演。
競馬界に暗い影を落とした反省もあったか。
それでも、あの笑顔は私を何故かホッとさせた。
私はよく『後藤買い』をよくした。
アドマイヤコジーン、ショウワモダンの安田。
『後藤買い』だ。
騎手生命を絶たれても不思議ではない2度の事故。
誰のせいだとかくだらないことをいっているやつもいるが、それも競馬。
たしかに乱暴な騎乗もするし、おれのオルフェーヴルも妨害されたから頭にくるがそれは別。
本人もそれを受け入れ復帰に励んで、現場復帰。
先週は2勝したが、さすがに復帰直後は乗れてなかった。
本人としては自分では満足できない騎乗が多かったのか。
それでも後藤よ、復帰後のファンの声援を忘れてしまったのか。
私も過去に人生が嫌になったことがあった。
しかしそれは並大抵の決意では出来ない。
奥さん、子供がいる。
前日に歌謡ショーに行き、笑顔でFBをのせる。
そんな人物にすぐに覚悟が出来るとは思えない。
お酒を飲んだか衝動的だったのだろう。
本人の意識とは別に逝ってしまったのかもしれない。
しかし人が死ぬとはこんなに悲しいことなんだな。
こんなに心に隙間ができるんだな。
後藤浩輝という人物が、競馬という自分のカテゴリーのなかでどれだけ多くをしめていたか。
人は決して忘れてはいけない。
どれだけの人が自分と『かかわっている』のかを。
私は後藤浩輝という、すばらしい、人間くさい騎手がいたことを忘れない。
