お決まりのように、後にする埠頭を見送ります。

太平洋航路では、瀬戸内の航路とは違い、紀伊水道以降ではの夜景はありませんが、

多少の夜景と海以外に、見えないことを楽しめます。

夜風は立ち位置により、防ぐことも可能です。

ひと通り、「出発したよ!」メールを打ち、「・・・いいなあ~」の返事をもらって

「自己満足」な自分を確認してからは、立ったり座ったりで、外の空気、一人の時間にひたっています。

フェリーの楽しさはそんなところにあると思っています。

3年ぶりのフェリー行きですが、無事にこうして、再び、旅ができることに

感謝を覚えるのです。



雑魚寝の2等船室も、左右両隣がひとつ空き程度

でしたから、OKとしましょう。

隣りの年上のドライバーの男性とも適度の世間話を交換して

おりました。

翌日の日程を考え、外へ出ては修正を加えては戻る

の繰り返しで、結構楽しめます。

そのうち、眠気がやってきて、朝をむかえるのが

儀式です。




甲板で年配の女性が、お日様に合掌されていました。

昨年、末期癌の父親の看病と死に立ち合い、以後こうして間違いなく

昇るお日様に、感謝の意を捧げ、そっと合掌して

つぶやきます。

「今日も、生きることを許されたのだ」。