BMW R75 sidecar

BMW R75 sidecar

ブログの車両を欲しいと思ったら相場を調べてから金額の打診をお願いします。適正適価で譲渡します。

題名は銀行なんかで良く言われる言葉。あとで多いだの少ないだの言われても知りませんよということです。

 

私がR75サイドカーの修理をしているのはあくまで趣味。商売として受けて修理をしていないので前述の通り現金と交換で現物を引き渡して終了。当然保証もありません。保証が要るなら大枚叩いて専業の所へ持ち込めば良いのです。

 

今から2年以上前にギアボックスの溶接修理をしました。

部材の引き上げ、溶接修理、部材の引き渡し(往復80kmを2回)まで全て私が行い、修理代金をその場で口頭で請求しても払ってもらえない事態が起きました。請求額は一桁万円の金額ですが、その時は手持ちがないのかと思い部材を置いてきてしまいました。今考えれば「現金その場限り」と部材を引き上げてくるべきでした。

 

今年の5月頃に溶接修理代金を払うので金額と送金先の銀行口座を教えて欲しい旨のEmailが届きます。

金額は作業完了時に口頭で伝えているし、そもそも何年も支払いを待たせたのだから持参して「待たせて申し訳ない」と謝罪の一つも言うのが筋じゃないのかとか、作業をさせておいてから高いだの、他はもっと安いだの言われた事も思い出し、とても腹立たしい出来事だったので「再請求はしない」と返信をしました。

結果、いまの今迄音沙汰なし。3ヶ月経ったので一区切りする意味もあり記事にしました。

 

 

この案件、初期の頃からケチがついていて、私が内燃機屋さんへ切削加工や修正を依頼する指示書を作ったり、現物を目の前にして加工者へ説明する手間や往復交通費が全部自腹だったので「少し配慮が足りなくないか?」と作業者本人に伝えた事があります。以降、依頼を受ける事を極力避けていましたが、基本的におせっかいで気のいい私は実費が伴わなければと考え様子を見つつ、所有者と作業者の中間に何故か組み込まれてしまい、レストア金額の相場や作業内容の説明をEmailでする始末。今になって考えれば、これも私の知識や経験を時間で売っているわけですが趣味の範囲だと、なんとなく付き合っていました。

 

そんなある日、購入した中華キャブレタでエンジンが始動しないと相談を受け、本調整と電装の作業は私に仕事として依頼してよ?と口約束でアイドリングする程度の粗調整を作業者の目の前で行いました。これも今となっては、作業手順や方法を教えてやった事になります。

作業者と私の所在地は往復80km程度離れているのと、当然の事ながら継続検査切れ(無車検・無保険状態)なので積載による車両の運搬費用・キャブレタと点火時期の調整・灯火類の電気回路設計と配線作業費用として25万円くらいの見積もりを出しました。

 

結果、作業依頼はなく車両は所有者へ引き渡されました。

ご本人が良い仕事をして私の出る幕は無かったのだろうと思っていたら、世の中狭いもので当該車両の動画が私の所へ。排気は黒く排気音はバラバラして、私が粗調整した時と大差ないものでした。直近の写真ではフロントフォークからオイル漏れを起こしているのも判別できます。

3年くらい組み立て作業をしていたでしょうか。なんとなく形にはなっているけれど機械的な帳尻が合っていないような印象を受けます。

 

 

80年前のR75WHですが、キャブレタと点火時期を完璧に調整すると排気煙は目視できず、排気音も規則正しいリズムを刻みます。(この動画は私の車両です。)

古いからこんなもんだは理由になりません。むしろ今の技術で当時より良くできます。

 

 

12Vフルトランジスタ点火に改造された3号車のプラグ

これもメイン・スロージェット共に変な番手が入っていました。

 

 

粗調整のキャブレタを使い続けていればカーボンが堆積し点火プラグも失火、カーボン噛みも発生する事でしょう。壊れてしまう前に完調状態にしてあげて欲しいものです。調整ができていないのはプラグを見れば一目瞭然だし、1番・2番の同調はどうやって取ったのか、点火時期の調整と進角の調整をどうしたのか説明を求めれば回答に窮すると思います。

マグネトー点火の2号車

 

 

組み立てが出来る人って結構居ます。でも調整、それもマニュアル通りではなく使用する風土(暑い・寒い、高低差)を勘案して、なおかつ車両固有の調整が出来る人は中々いないものです。理由は、該当車両で走り倒して壊して治してを繰り返し、知識や経験を蓄積する時間も必要になり一朝一夕にはいかないからです。

私は3台でまだ6000km程度しか走行していませんが、その間にエンジンを2台壊して修理、キャブレタの異常を発見して修正すること3セット、クラッチやデフの交換2回、ギアボックスの修正2回くらい。あとは記事に出てきた当該車両の発電機を修理(これも作業費なし)をしたくらいの知見ですが、まあ一巡しているような気がします。

それも相まってクラッシック部門の方とも懇意に。おかげで渡独の際には面談の機会も頂けたのは先の記事に書きました。

性格は偏屈ですがカネと物件の引き渡しという商法的な間違いを犯した事がないのは誇れる事です。私の支払いは都度「現金その場限り」で履行しているので、協力して頂ける内燃機屋さんや加工屋さんとの関係は失わずに済みます。私への支払いは脇が甘かったのだと諦めてしまえば良い事ですから。

まあ、これで売ったり買ったり直したりは全部止めにします。面倒だし面白くない事を言われるのも嫌なので。そういえば偵察用オートバイも2年以上製作していないから部材が溜まってきています。前述の通り一切止めるので金属クズ屋へ持って行き片付ける事にしますか。