起き上がり方が分からない
ずっとベッドで眠ってたから
自分の顔が見つからない
ずっと鍵を探してたから
毎日シーツで泣いてたの
そこだけ明るく陽がさしていた
そこらじゅうがかび臭い
けれども僕はこれでいい
目の前にはホワイトボード
奥の部屋には本棚がある
でも絵は描かない 本も読まない
ただ生まれたときからそこにある
馬鹿だったんだろう? 僕は
目の前の君と同じように
声の出し方が分からない
ずっとむっつり黙ってたから
自分の涙が見つからない
ずっと雫に埋もれてたから
毎日 枕で泣いてたの
そこだけ明るく陽がさしていた
どこに行っても独りぼっちで
家族さえもここにはいない
血が繋がってるはずなのに
ここにはみんなの心はいない
でも詩は書かない 会いにも行かない
ただ死ぬそのときまでここにいる
馬鹿だったんだろう? 僕は
目の前の君と同じように
馬鹿だったんだろう? 君も
目の前の僕と同じように
だから
結局
馬鹿なんだろう? 僕ら
目の前の奴も見えやしない
※この詩は、2023年8月5日に作成したものです。