こんにちは、あすなろまどかです。
次回から、小説「クリムルーレの花」の連載を始めます。
今回は、主な登場人物ともくじを紹介します。
○主な登場人物
・タット=メンセル…主人公の青年。フィーダの義理の兄。フィーダを愛している。
・フィーダ=クリムルーレ…ヒロインの少女。タットの義理の妹。
・ラチルド=メンセル…夫が亡くなり、ケットと再婚した。タットの実の母で、フィーダの義理の母。
・ブランケット=クリムルーレ…愛称ケット。妻と離婚し、ラチルドと再婚した。フィーダの実の父で、タットの義理の父。
・シェイ=キャンコロトン…フィーダの大好きな俳優。故人。
○もくじ
〜プロローグ〜
第1章 家庭(前編)
第2章 家庭(後編)
第3章 花畑
第4章 部屋
第5章 分裂
第6章 狂人
第7章 クリムルーレの花
…と、こんな感じです。
それでは、次回から本編を始めます!
○本編の一部
「自分が狂っていないと気付いて涙が出るということは、私は自分が狂っていないことに対して、それほど大きな悲しみを感じてないのよ。つまり、私はもう狂人ではないということよ!
私は結局、量産型の人間。他のまともな人間と同じ。もう、異常な私はこの世のどこにもいないのよ! そのことが悲しくて仕方ないの!」
少年は、少女を異常だと感じた。
少年は、少女が狂っていると感じた。
少年は、少女が恐ろしくて仕方がなかった。
……
「人と同じことをしたくないの。『人と同じことをしたくない』という人たちと同じになることも、ほんとうは嫌なんだけど。まあ、つまり、全てが嫌なわけ。
だから、究極的に言ってしまえば、生きたくもないし、死にたくもないわ。生きていれば、他の生きている人間と同じことをしていることになるし、死んでしまえば、他の死んでいった人間と同じことをすることになるもの。」