こんにちは、あすなろまどかです。



 前回まで、映画「Yesterday」の感想(その1〜その16まで)を書いていました。


 ↓最終回、その16です。


 今回は、映画全体のまとめ(良かった点や悪かった点など)を書いていきます。



 まず、観ながら思ったのは、「この映画は誰をターゲットにしてるのかな?」ということでした。

 この映画は、あまり深く考えずに「ビートルズがいない世界はこうかもしれないね〜」という軽いノリで楽しめばいいのか、
 
 それとも、じっくりと考察して、「なぜこの場面はこうなのか?」と、疑問点を見つけ出す過程を楽しめばいいのか、よく分かりませんでした。


 どの層を狙っているのか…つまり、往年のビートル・マニアを楽しませたいのか、

 それとも、解散から50周年という節目を利用して(この映画が制作されたのは2019年)、ビートルズをよく知らない若者に少しでも興味を持ってもらうために作られたのかも、よく分かりませんでした。


 もしも「ビートルズを知らない人」をターゲットにしているならば、興味を持たせるには非常にいい映画だと思いますが、

 「ビートル・マニア」をターゲットにしているならば、設定をもっと細かくしたり、私が各々で述べた疑問点を明確にしたり、もう少しマイナーな曲も流したり、色々と工夫する必要があると思いました。


 いま、「マイナーな曲も流したり」と書きましたが、この映画で流れたビートルズの曲のほとんどが、Hey JudeHELP!など、誰でも1度は聴いたことのあるものばかりでした。

 それに関連づけて、思ったことを書きます。



 この映画、主にポール作の曲が流れています。

 ジョンの前衛的な曲よりも、ポールのキャッチーなメロディの方が親しみやすいとよく言われますが、それが顕著に表れていると思います。意識しているか無意識か、そこまでは分かりませんが…。

 HELP!はジョン作ですが、初期の曲なので、多くの人がとっつきやすいメロディとなっています。ジョンの前衛的な曲が増えてくるのは、後期からです。

 ジョンの後期の曲(「Happiness Is A Warm Gun」や「A Day In The Life」)も流してほしいなあと思いましたが、それだとファンしか分からなくて、一般の人は退屈するのでしょうか?

 やはりこの映画は、ビートルズ初心者向けの作品かもしれませんね。それなら、偏った選曲にも納得がいきます。

 (それでもやっぱり、ジョージの「I Need You」とか「Don't Bother Me」とか、聴きたかった^^;)



 それから、この映画の良かった点

 それは間違いなく、「ビートルズが存在しない世界が舞台」という、斬新な設定ですね。そして、そんな世界で人生が狂っていく男の物語。

 この珍しい設定やストーリーが、観ている者を惹きつけてやまない理由でしょう。途中で飽きることがありませんし、何度も見返してしまいました。

 そして、主人公ジャックがジョン・レノンの元を訪れる名シーンも、良かったですね。

 あのシーンが、あのジョンが、「ビートルズが存在しない」パラレル・ワールドの象徴になっています。それを物語のクライマックスで「魅せる」という工夫に感動しました。



 こんなもんですかね。

 いい点も悪い点も、このYesterdayという映画の魅力です。観て損はありません。Yesterday、ぜひ1度ご鑑賞ください!




 そして、「その1」からここまで読んでくださった方、本当にありがとうございました!