タイトル「春の訪れはないまま」
ある春の日 私はあなたに
「好きです」と一言 言ったわよね
あのときあなたは あまりに突然で
何にも言えずに終わったけど
だけど私 ほんとは気づいてたの
あなたが私を好きじゃないこと
知ってたのに諦められなくて
迷惑を かけたこと謝るわ
ある夏の日 あなたは少し
変わってしまったように見えた
昔のあなたは とても不器用で
そんなところが好きだったけど
だけど今の あなたはしっかり者
あなたを好きだと言う娘(こ)たちも
近ごろぞくぞく増えてきたわよ
何だか 私はさびしいわ
ある秋の日 私は突然
恐ろしいことに気がついた
私はきっと 一度も本気で
あなたを愛したことないんだわ
だってほんとに あなたが好きなら
どんなあなたでも愛せるはずよ
私はただ不器用な人を
探して さびしさを埋めてたの
ある冬の日 私は決めた
もう誰も愛さないって
努力して変わった あなたのことを
愛し続けられない私が
誰かを幸せにできるはずない
変化を受け入れられない私に
春が訪れるわけないわ
あなたよ 幸せに生きてね
あなたよ 幸せに生きてね