こんにちは、あすなろまどかです。
今回は、「あすなろの木」第九話です。
一話完結型のエッセイなので、第八話を読んでいなくても大丈夫です。
第九話 とある孤独な少女
独りで椅子に座っていると、どうしても何かを考えてしまう。
それも、その8割がたが、前向きなものではない。見えない先のことを見たつもりになり、勝手に不安になり、恐れおののいているのだ。
そんな時間は、人生の中で無意味なのだろうか?私はそうは思わない。
確かに、みんなの輪の中に入っていって、バカ騒ぎをしたいこともある。ネガティヴなことなんか全て捨てて、楽になって、笑いたいという気持ちもある。
しかしそんなことをしても、私は何者にもなれない。色々な人たちが楽しげに話をしているその外で、「孤独な女」として、北風を吹かせ、おどろおどろしい風格を漂わせながら、自分をつくり上げてゆくというのは、なかなかに楽しい。
ところがそんな私でも、どうしてもつらくなって泣いてしまうというようなことは、稀にある。人と違う喜び。人と違う苦しみ。その2つの気持ちが暗い心の中でとぐろを巻き、それは些細なキッカケで爆発してしまう。私は本当にダメな奴だ。が、その状況がとても好きだ。
そもそも、私は天才なのだ。独りでいる天才。独りの楽しみ方を、誰よりもよく分かっている。それは誰にも教えることなく、胸の中にしまっている。
絶対に誰にも教えるもんか。私は独りで生きてやるんだ。できるなら、自分の胸の中で生まれ、そこで生き、そこで死にたかった!だが、自分の胸の内には生まれてこなかった。だから、孤独を背負って生きるしかない。
ときどき考える。誰にも会わず、誰も愛さず誰にも愛されず、ずうっと独りで生きていったら、どうなるんだろう。そんなことをしてみたくなる。
何を書きたいんだか、自分でももうサッパリだ。
が、ただひとつ、明確に言えることがある。それは、こんなふうに強烈な孤独を感じているのは、決して私だけではないということだ。むしろ、この世に存在する全ての人間は孤独なのだ。鋭いひとは気付いている。
「自分は孤独じゃない」と思っているのは、「孤独」以外の別のものに強い関心が向いているひとか、もしくはただのバカである。
いつか…いつの日か、「孤独」について完璧に語れることを夢見て、シャープペンシルを置こう。
(おしまい)