タイトル「スローモーションの教室」

退屈な先生の話が 
午後の夕日にとけてく
前のほうにポツリと座るあなたが
堂々と大きなアクビをひとつ

チョットいすに沈んで 体をずらして
あなたの背中がよく見えるようにした

黒板の文字がぼやけてくるのは
あなたがこの夕日よりまぶしすぎるから

あなたの動きぜんぶが
スローモーションに見えるわ
だけど
わたしの鼓動は早くなっていく



窓から吹き込んできた風が 
教室の影にとけてく
ホウキを1本持っているあなたが
掃除をサボって購買へ出かけた

そっとあなたの席に近づいていって
すばやく机を持って運び始めた

心がなんだかくすぐったいのは
わたしがあなたに本気で恋してるから

あなたの机の傷たちが
2人のメモリーに見えるわ
だから
わたしのハートはスキップしている



チョットしたことで泣きそうになるのは
わたしがあなたに本気で恋してるから

あなたの瞳の動きが
スローモーションに見えるわ
だけど
わたしの鼓動は早くなっていく


(写真:あすなろ まどか)