こんにちは、あすなろまどかです。

 今回の詩は、宮沢賢治の詩に影響を受けてつくったものです。
 (なので、少し似ているところがあるかもしれません。)


タイトル「バイブル(第四幕の第三章、それは九十三ページから)」

なぜ産まれてきたのかなんて
考えていちばん無駄なこと
ひとはみな
あそこにまたたいている青い光に向かって
たいせつな寿命を削ってゆくだけだよ

ちっぽけなことに
たいそう喜んだり悲しんだりしながら
わたしたちはまわり道をして
けっきょく死という 
さいごの冒険にたどりつくのだ
そのことについて 今更わたしが
騒ぐことも 焦ることもない
わたしはただ 近づいてくる青い光に
そっと息を吹きかけたり
微笑みかけたりするだけ

どうせ死ぬのになぜ書くのかと問われれば
そうするよりほかにないからだ
わたしにとって紙とペンこそ
小さな仮想世界の創造と破壊に
いちばん丁度いいものなのだよ
気づいてしまっているんだよ
わたしの義務は 
創造と破壊を同時に行うことだと

わたしの言うことが分からなくても
息を吸えているならきみは充分さ
きみはわたしの世界に
いっさいの関係もないし
逆だってだれにでも証明できるのだからね
面白いこったろ?
あの一番星だって
いまごろあんなに遠いところで 
くつくつ笑っているさ