君のペンの色

 

 

 

君はなぜ嬉しいことがあると

その内容を ピンク色のペンで

書き留めるんだい?

そしてなぜ悲しいことがあると

その内容を 青色のペンで

書き留めるんだい?

 

 

君は答える

「だってピンクは明るい色で

 青は暗い色だもの」

君がさも当たり前のように 

そう口にしたことに

僕は心底驚いた

 

誰がそんなことを決めたんだろう

 

 

僕は尋ねる

「なぜピンクは明るい色で

 青は暗い色なんだい?」

 

君は眉をしかめて 

少し面倒くさそうにこう答えた

「なぜって そういうものだからよ

 アタシが生まれたときから

 ピンクは明るい色で 

 青は暗い色だったの」

 

 

僕にはやっぱりよく分からない

だって そうだろう?

嬉しいとき

あたりがピンク一色になることはないし

悲しいとき 

あたりにピンクが一色もないこともない

 

 

だけどさらに不思議なことに

僕だって ピンクは明るくて

青は暗い気がするんだ

 

 

もしかしたら僕は 

それを覆(くつがえ)したくて 

必死なのかもしれない

 

そう思うと 僕は少し悲しくなった

ブルーな気持ちだ

あれ やっぱり僕も君と同じみたいだ

 

そう思うと 僕は少し嬉しくなった

ピンクって感じだ

あれ やっぱり僕も君と同じみたいだ