唐突であるが、結婚した。
去年9月に出会い月1回のペースで会い、今年1月1日から付き合い、先月19日に結婚指輪を発注、同棲する家も見つけ、21日に入籍した。
そして、今月から夫は1年未満予定の単身赴任(出向)に行った。
スピード感がすごすぎて、重力に押しつぶされそうだった。
今は6月からの同棲(しばらく一人暮らし)にむけて実家で休息中である。
様々な理由で両家顔合わせは実現していないが、お互い相手の両親には会っているし、私は義両親にすごく好かれている。
夫の実家へお邪魔した2回目には私専用のミッフィーちゃんのマグカップが用意されていた。
私がミッフィーちゃんを好きなことを知った上で用意してくれたのである。
お義父さんは「ママがすごく楽しそうに選んでいたよ。気に入ってくれてよかったね、ママ!」という、ドラマのような台詞を言い、私が喜びながら夫に「あなたも知ってたの?」って聞くと、夫もお義母さんもすごく嬉しそうに笑っていた。
なんだこの幸せそうな家族は。
その幸福空間を共有できていることで、私は夫と結婚をしてよかったと心底思った。
また、お義父さんは「りんちゃんとなら早く入籍しなさい!出向で待たせるな!」とか、「りんちゃんの一人暮らしが心配だから、少し狭くなっても家賃が高くなっても、セキュリティーが完璧で治安のいいところへ住まわせてあげなさい!」と言ってくれていたらしい。正直言って、こんなにも気に入ってもらえると思っていなかった。
私の外見や、所作、作法、雰囲気や考えなどがドンピシャであったとのことだ。
この点については、このような人格に育ててくれた両親に深く感謝している。
閑話休題
さて、夫との出会いは当然のごとくマッチングアプリである。
具体的に言うとomiaiだ。
前回の記事の通り、私は承認欲求と性欲の化け物で、マッチングアプリ依存症女であった。
今回、夫と出会った際のマッチングアプリは何度目の登録であったかは当然覚えていない。
10年ほど前から彼氏のいないときは登録しているし、200人弱は実際に会っていると思う。
マッチングアプリは登録してから5日くらいまでは毎日何百件のいいねを貰えるし、一番調子が良かったときは3日程で1000件を超えていた。
そして毎日のように男と会っていた。
しかし、32歳ともなるとやはりいいねの数は減ってくる。
結婚願望があった私は、今回の登録でいい人がいなかったら結婚相談所へ駆け込もうと思っていた。
そこでマッチングして会おうとなったのが夫と、マッチングアプリ6年戦士さんであった。
マッチングアプリ6年戦士さんは、実に様々なマッチングアプリに登録しており、私はその存在を少なくとも6年前には認知していた。
実家の玄関先でスーツ姿で映っている、研究職の人である。
これを言うと「あのひとか~!」となる人が多数いると思う。
現に友達も知っていた。
私は昔アプローチをしたことがあったがマッチングしなかったので、それ以降は見つけてもいいねを送っていない。
そんな彼とマッチングしたきっかけは、ズバリ「写真が変わっていて、その人だと気付かなかった」ことである。
私からいいねをするとマッチングしたので、メッセージのやり取りが始まった。
その後LINEを交換し、フルネームが判明したのでインスタで検索してみたところ、例の玄関先での写真が出てきた。
「この人か!」とはなったものの、メッセージはごく普通のやり取りで、好印象な方であった。
そして、彼の希望で一度オンラインデート?をし、彼のお眼鏡に叶ったらしく、ご飯に誘われた。
梅田のアメリカンカフェでランチをしたが、出会ったときから彼の印象は良くなかった。
顔は写真とほぼ変わらなかったが、とにかく人を見下してくるし、自分はすごく立派な人であることを自慢してきた。
私はゲームが趣味であるが、マインクラフトにハマっていることを伝えると、あからさまに苦笑いをし「なにそれ?笑」と。
いやいや…
世界で一番売れたとギネス記録に認定されている、世界のMicrosoftが販売しているゲームです。
そんなことも知らないのかと。バカかと。
まぁそれを知っているかどうかは人に寄るので深追いはしなかったが、人の好きなものを聞くときに、そのような反応は良くないと思う。
彼はとにかく自分が一番で、自分以外の話には興味がないのである。
とりあえず今日はマイクラで何をしようかと考えながら彼の話を聞いていると、彼は自称モテるのに6年も彼女がいないという。
知っている。
貴方が6年前からマッチングアプリの常連になっていることは存じ上げている。
そして、その辺の男性より多くのいいねを貰っていることも知っている。
しかし、私はそれらを初耳の体で聞いていた。
彼女とは長く続かず、結局マッチングアプリに舞い戻ってしまうらしい。
知らんがな。
彼の話がつまらなかったのでとりあえず早めに引き上げて解散することにした。
確かおごってもらったとは思うが、もう覚えてもいない。
その時彼は赤ワインを持っていて、触れてほしそうだったので敢えて聞いたが、今から家に帰って鳥のナントカ焼きを作って赤ワインを飲むらしい。
知らんがな。
とりえず私はナシな人も全員にお礼をするので、お礼の社交辞令LIMEを送信したが、既読スルーされた。
一生フッたという優越感に浸っておけばいい。
おごってもらった側のありったけのお返しである。
6年もマッチングアプリをしていても結婚はおろか、彼女もできないのは自分に原因があるとは思わないのであろうか。
思わないのであろう。
「俺別に無理に彼女欲しくないし」って強がっていながら、マッチングアプリはやめられない。
典型的なマッチングアプリのカモ。つまり俗にいう踊り子である。
特に彼は顔も悪くなく、身長も低くはない。年収も700万程はありそうだったので、自分も人に求める理想が高いのであろう。
しかし、重要なのはやはり中身なのだ。
どれだけイケメンでも高身長高収入でも、一緒にいて楽しくなければ付き合う意味がない。
そこで出会ったのが今の夫である。
つづく