「まだ、食べてるのか?結構、経つけど」
「ユノ、心配しすぎだよ。
後片付けとかしてるんじゃない?」
ソファで、ユノにくっついて座っていると、
しばらくしてユノが過去の俺のことを口にした。
俺は、また嫉妬しそうになったが、さっきのキスのおかげで、上機嫌だったので、落ち着いた受け答えができた。
「見に行ってこよう」
ユノが立ち上がったので、俺は渋々、その後を追った。
キッチンに行くと、食べ終わったままの状態で、過去の俺はテーブルに突っ伏して寝ていた。
「あれ?寝てる?」
「ま、疲れてるよな。あの頃だもん」
そう言うと、ユノは過去の俺を抱き上げた。
「ベッドに寝かせてもいい?」
「いいよ。ゲストルームの方のね」
「オッケー。運ぶよ」
ユノがキッチンから出ていくと、俺は後片付けを始めた。
しばらくして、ユノが戻ってきた。
「あの頃って、何をやってたか、
正直あんまり思い出せないんだよなぁ」
「分かる。毎日毎日、がむしゃらだったからね。
俺も断片的にしか思い出せない」
「心が折れそうになることもたくさんあったけど、
メンバー皆で寄り添いあって、
守り合って、支え合って、一生懸命やってたよな」
「この5人だったから、やってこれたんだよ。
今でも、時々、あの頃を思い出すよ、俺。
仕事とかでいっぱいいっぱいになった時とか」
「俺もだよ」
テーブルにもたれかかりながら、ユノは腕を組んで、天井を見つめていた。
「20年以上、本当によく頑張りました」
俺はそっとユノの頭を撫でた。
ユノは驚きながらも、優しく微笑む。
「20年以上、よく頑張りました。
それから、飽きずにそばにいてくれて、ありがとう」
今度はユノが、優しく俺に言葉をかける。
「こちらこそ」
ニコッと笑うと、俺はユノに抱きついた。
そっと抱きしめ返してくれる、温かい腕の中。
これは、何年経っても変わらない。
「あいつ、過去の俺と大喧嘩したんだって」
「そうなの?」
「俺たち、仲はいいけど、喧嘩も派手にしてたから、いつも3人が仲裁に入ってただろ?」
「あー…まぁ、そうだけど…」
「俺と2人で話してる時に、散々過去の俺の悪口言ってた(笑)
全然、気持ち分かってくれないとか、仕事になると厳しすぎるとか(笑)」
「あっは(笑)俺も、それ、昔めっちゃ言ってた気がする(笑)」
「いや、言ってた(笑)
過去に帰りたいけど、俺と喧嘩してて、仲直りできるか悩んでる感じだったから、
今の俺たちを見たら分かるだろ?って言ったら、妙にしっくりきたみたいだったよ」
「俺たちも色々あったからね」
「だから、絆が深く強いんだろ?」
「まぁね(笑)これからも、よろしくね」
「なんだよ、今更」
「だって、数年後も一緒にいてくれる保証なんてないじゃん。
だから、口に出して言っておくの。これからも、好きでいてって」
「もしかして、過去の自分に触発された?
すごい可愛いんだけど?」
「俺はずーっと可愛いの!」
「はい、そうでした(笑)」
2人して声を出して笑い合うと、またキスを交わした。
そのまま、抱き抱えられてベッド移動する。
続きがあるかなぁとワクワクしていたが、2人とも相当疲れていたのか、気絶するようにすぐに寝てしまった。
「あれ?いない…!」
翌朝、ゲストルームに行くと過去の俺の姿はすでになかった。
「あー、残念だなぁ。
もう少し、昔のジェジュンと遊びたかったー」
「あぁ!?何か言った!?」
「冗談だって(笑)」
そんな会話をしながら、リビングに向かう。
「おはようございます!」
誰もいないはずのリビングから、大きな声で挨拶をされ、2人して飛び上がる。
恐る恐る覗くと、そこには、なんと、昔のユノが!
「か、か、かわいいー!!」」
「はぁ!?」
俺は思わず、歓喜の声を上げる。
「ジェ、ジェジュンですか?」」
「そうだよー!未来のジェジュンだよ!」
「うっわぁ…すっげぇ美人…いや、今も可愛いけど…」
「飼う。決めた」
「ぅおおいっ!
とりあえず、昔の俺!自分の所のジェジュンと仲直りしろ!以上だ!帰れ!」
「いや、好きなだけ、いなさい」
最早、昔のユノに対して、そこまで驚かない我々。
俺たちのやりとりに笑う昔のユノ。
その笑顔に俺はまたとろけそうになる。
そして、ユノに無理やり引き剥がされた。
結局、その日の夜に昔のユノがいなくなるまで、こんなやりとりをずっと繰り返したのだった。