ここは「べザリウス家」。つまりオズが住む家である。
この間の騒動を経て、現在のんびりとここで、オスカーを始め
アリスとギルバート、そしてオズの4人で暮らしている。
オズの妹のエイダはラトウィッジ校で寮生活のため、滅多に会うことが
出来ないが、休みを利用して顔見せに時々帰ってくることがある。
オズが着替えてから部屋を出ると、いつものように
2人は朝食をとりにリビングへと向かう。
リビングのドアを開けると、すぐ目の前に物凄い形相のアリスが
仁王立ちで待ち構えていた。
「あ、アリス、おは・・。」
「おいっ!!遅いぞ!お前ら!!肉はまだか!さっきから腹が減ってたまらんぞ!!」
部屋に入ってきた2人に向かって、いきなり空腹の苛立ちをぶつけるアリス。
向こう側には、窓を開け、煙草を吸っているオスカーが立っている。
ブチッとギルバートが切れた。
「お前は・・っ!毎日毎日”肉肉”うるさい奴だな!!少しは黙っていられないのか!」
ギルバートがアリスに向かって怒鳴った。
すると、それにダンッと床を足で叩くアリス。
「なにおう!!貴様だとて同じことだろうが!ワカメ頭!!。」
「・・あ"あ?何がだ?」
「・・・何かしら”オズオズオズオズ”と口走りおって・・!私の周りで
小うるさく騒ぐな!」
「はあ!?・・なっ・・・!?」
と、ギャーギャー騒ぐ2人をよそにオズはオスカーのもとへ行き、
その様子をまじまじと見つめていた。
「・・あーあ・・・。また始まっちゃったよ。」
仕方ないなー、とオズは困ったように笑う。
1日たりともこのような喧嘩が無い事は無い。絶対と言っていいほど。