10年ほど前のこと。刺すような言葉に驚く。
「え・・・」
何も言い返せなかった。
きっと図星だった。
よかれと思って言ったのに。
17年間勤めた会社員を辞めてから、貪るように自己啓発本を読んだ。
そこにはそれまで知らなかった考え方や価値観が詰め込まれ、日々目から鱗が落ちる思いだった。
「こんな考え方があるんだ!」
「誰も教えてくれなかった・・・」
「もっと早く知りたかった」
スポンジが水を吸うように知識を吸収した。
「これは伝えなくちゃ!」
謎の使命が発動され、事あるごとに知ったばかりの知識を伝えるように。
友人から職場の愚痴を聞けば、それはこういう思い込みがあるからそうなって、どーのこーの。
からの、今できることはこれ、こういう考え方をしてみたら?などを伝えていった。
「そんな考え方もあるんだ」
「それならできそう♪」
「やってみる!」
愚痴っていたときとは変わり、にこやかな笑顔になった友人。よかった。
あるとき、夫にも、この考えいいぞー!って伝えてみた、ら。
「本読んでるのがそんなに偉いのか」
と言われ、凍りつきました。
ちなみに夫は本を読みません。
その後、ギクシャク。
こっちはこっちで
「いいと思って伝えたのに!!」
ってプリプリ。
自己啓発を読み始め、知識をどんどん吸い上げていく時期は勘違いヤロウになりがち。
「これを知れた自分ってすごい!!」
テンション上がっちゃうんです。自分がえらくなった気になっちゃう。たぶん。無意識に。あぁ、お恥ずかしい。
確かに言い方もよくなかったのかもしれない。
その後もめげずに本の内容などを夫に伝えています。
伝え方も試行錯誤。今では平穏に受け止めてもらえています。
自分が投げたものを、キャッチしてくれるのどうかは相手次第。
でも、キャッチしやすい言葉を投げるのかは自分次第。
線引きも大切だけど、相手を思いやる気持ちも大事、なんですよね。