死ぬってどんな感じなんだろう?
怖いのかな?
生きていれば、誰でも1度は疑問に思うことでしょう。
当然、今生きている人は死んだことがないはずです。わからないのが当たり前。
もちろんわたしにも死んだ記憶はありません。実際に死に直面したら、恐怖を感じるかもしれません。
でも今は、死に対する考え方が前より少し変わりました。
それは、数年前に亡くなった父のお陰です。
脳梗塞を患った父は、半身不随ながらもリハビリをし、短距離であれば杖を使って歩けるようにまで回復しました。
それから数年。
他にも病気が発見され、父に余命が宣告されました。
日に日にやせ衰え、最後の数時間は意識が無い状態で眠るだけとなり。
家族が見守る中、午前3時過ぎにこの世を去りました。
すうっ・・・と、眠るように。
見た目には、苦しんだ様子もなく。
本当に、安らかに。
人ってこんなに穏やかに死ねるんだ。
不謹慎かもしれないけれど、父が亡くなった直後に思ったことです。
これがもし、最期の瞬間まで、苦しんで苦しんで父が亡くなったとしたら、こんなに落ち着いて父を看取ることはできなかったでしょう。
本当のところはわかりませんが、亡くなる直前の父からは苦しんでいる様子は一切感じられませんでした。
余命宣告や、亡くなる前の数ヶ月、それこそ数日おきに入退院を繰り返していたことで、ある程度家族にも覚悟はできていました。
父がいなくなってからもしばらくの間、まだ入院しているように感じられることも多く、
「お父さん、みんなが寂しくならないようにしてくれたのかもしれないね。」
家族の中では勝手にそう思っています。
人生は、いつか必ず終わりがくるもの。死は、誰にでも公平に訪れます。それがいつかはわからなくても、必ずやってくる。
父の穏やかな最期に立ち会えたことで、わたしの死に対する恐怖心は、少し和らいだ気がしています。
身を持って教えてくれた父には、感謝の気持ちしかありません。
ありがとう。お父さん。