「同窓会のお知らせ」
「ハガキ届いてるよ♪」
ある日実家の母から電話があった。
「何の?」
「中学の同窓会だって♪」
電話口でハガキの文面を読み始める母。お陰でハガキを見ずとも内容を理解できた。どうやら学年全体の同窓会らしい。
わたしが通っていた中学は学年で11クラスあった。マンモス校である。400人ほどの同級生がいるはずだ。
卒業アルバムに住所が載っていた時代。当時の住所宛にお知らせを発送したようだ。
中学卒業から30年記念に、担任の先生方にも声を掛け、ホテルで大々的に行うという。
30年。
中学を卒業するまでを2周できる。
時間が経ち過ぎているからこそ、逆におもしろいのかもしれない。
20代、30代での同窓会ではなく、40代の今だからこそ、楽しめるのではなかろうか。
そんな思いが頭をよぎる。
これが5年前だったら即答で欠席していた。
「お子さんは?」
このひと言の破壊力に耐えられなかった頃だ。
さすがに45歳。
もうみんな落ち着いているはずであろう。きっとそうだ。そうに違いない。そうであってくれ!
ある意味「わたしは誰でしょうクイズ」的な再会になるのも興味深い。
そう考えているうちに、頭の中ではキューピー3分クッキングのテーマソングが鳴り響く。
テンテケテケテケ♪テンテンテ〜ン♪
テンテケテケテケ♪テンテンテ〜ン♪
30年経ったら、あのときの少年少女が、今はこんな風になりましたー!
みんなのビフォー、アフター・・・。気になる!!
40代からの顔はその人の生き方が現れるという。言わば人生の通知表だ。
学生の頃の人の通知表は見る機会はないが、人生の通知表は堂々と真正面から見ることができる。
ただし自分のも見られてしまうけれど。
さて。中学時代は地味子だったわたし。
30年ぶりに会う同級生は、覚えていてくれるのだろうか。
1枚のハガキにより軽い気持ちで参加する予定の同窓会。
吉とでるか凶とでるか。
すべては、カミのみぞ知る。