糸のような感覚器官は、糸のようなものなので、絡ませて使えば誰かの感覚の補助になったり共感したりと、ちょっと便利のようだ
感覚器一つ一つの先に個人を持って行ったり
遠くに詩文の感覚をのせたり出来るみたい
でもまあ、それも「使えたら」の話のようで
多くの量を手足のように
なんて、私には当分無理のようだ

彼は「手伝ってあげる」と言ったとおり、私と少し感覚を共有したようで
使い方のダウンロードらしきことをしてくれていたようだ。

視覚は

おそらく彼が張り巡らせた、世界の風の情報が入ってきているのだろう。
変わる変わる色々な場所の景色が通り抜けていった。

情報過多でくらくらしながら、
ぼんやりと思考が踊る。

お祈り。というのはこういうものなのかしら?
よくわからないけれど、
暖かな感覚を、こんな風にたくさんに届けるのが「お祈り」なのかしら?

感覚を共有しているので、
多分、
彼のふわっと温かい…でもほんの少し哀しい。ものが、風に乗って行き渡るのが分かる。

同時に、頭の中は情報処理で手一杯だった。

糸のように使う羽根、羽根のように使う糸。
感覚を共有することや、エネルギーをちょっと分けたり、ちょっとお手伝いしたり、
跳んだり跳ねたり遠くへ行ったり…まあ色々

とりあえず。。。とりあえず。
頑張るから
やってみるから
出来るようになってやるから

あちらでもこちらでものぼせたようになってしまったので、その日はそのまま終了した。

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その日から羽根の糸の使い方と、彼が「地球」といった物体にお祈りをするのが日課になった。

負けず嫌いなのもあったけど、
彼はあまり文句もイヤミも言わないので、
ザドキエルのしごきに比べれば全然優しいと思っている

ただ、時々ひどく哀しそうに泣きそうになっているのだけが、ちょっと辛かった。

糸が近くて絡まるからか、
胸と背中が裂けるように痛くて

まだ色々なことを考えることの出来なかった私は、
てっきり羽根を落とした記憶なのかと思って
なんとか出来ないモノかと思っていた。

糸の羽根を自由に操れるようになった頃

この集まりは突然終わった。


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もう一回続く