かつてGHQは日本を占領するにあたって、過去の日本の行いを否定した
昭和天皇も処刑寸前であったという
神道や各種武道は禁止され、米から小麦へと食生活まで変化した
他にも付随する要素はあるが、GHQは日本人の価値観の180度の転換に成功し、戦友のため、家族のため、ひいては国のために戦った人達を否定した
戦前、戦中ならば少なからず敬われていた、戦地で手足を失った傷痍軍人、出撃寸前で終戦となった元特攻兵…
戦争経験者は決して自分の体験した全てを話さない
近しい人に話せば心も楽になるだろうに、それでも話さず、毎晩うなされているという話しを聞いた…
そして天寿を全うした時、
「やっと戦争…終わりましたねえ…これでゆっくり眠れますね…」
先立つ夫にかけた夫人の言葉…
万感の思いのこもった言葉が悲しかった…
戦争の責任を感じていたのか
死んだ戦友と生き残ってしまった自分を比べていたのか…
推し量ることはできる…でも、なにか違う…
戦争をしてはいけない
戦争体験者は一様に同じ事を言っている
心や身体に一生遺るキズを負い、生き残って愛する者達の元へと帰ってきても、生命の終わるときまでうなされる
なんの寄る辺も無く、ただ『生きたい』だけの戦災孤児
現実は言葉にするのにも生温い『生き地獄』
大人の面子や都合で始まった戦争で両親を亡くし、ある日突然その身ひとつで路上に放り出された
生きるために盗み、物を乞い、ゴミを漁り、生き地獄を這いずり回った
そんな戦災孤児達をみかねた僧侶が、自分のできる限り孤児達を引き取った
だが、戦後の食料難は彼等を直撃した
次から次へと餓死してゆく孤児達…
金策をはじめ、食べ物を都合してくれないかと周囲の人々にお願いするものの…
自らの命と家族の命が最優先だ
他者を気にかける余裕は一切ない
なにもできない無力な僧侶
ある日僧侶は鬼の形相で孤児達を追い出した
「地獄に堕ちろ!」
ここにいたらただ餓死するだけ…
ならば盗みでもなんでもして生き残れ…
戦争とは個人では救うことができない 理不尽な不幸を生み出す最大の罪なのだ
戦災孤児と呼ばれた子どもたちに国家は無く、宗教という救いも無く、ただ絶望だけがそこにあった
戦争とはこういうことだ
だが、悲しかな人が人である以上戦争はなくならない