夕暮れの善光寺を訪れた

仁王門



参道の脇にいるむじな

その昔、下総国に住んでいたむじなが、生命を喰らわねば生きていけない身を嘆き、善光寺に灯籠を寄進し後生を良いものしてくれるようご本尊にお願いするため、人に化けて善光寺にやって来た

宿坊に泊まり明日は参拝という夜
湯に浸かっていたところ、長旅の疲れが出たのか人からむじなへと戻ってしまっていた

むじなが湯に浸かっていると騒ぎになり、むじなはあと少しで参拝というところをやむなく逃げてしまった

むじなの旅の道連れになった人からむじなの本心を聞き、不憫に思った宿坊の主人は むじなのかわりに灯籠を善光寺に寄進したそうな

この像は最近造られたものだが、参拝者もむじなを不憫に思うのか、頭を撫でていくようだ


参道の両脇にはお店が並び、軒下にはツバメの巣と孵ったばかりのヒナ








国宝の本堂



善光寺は宗派の無い寺

女人禁制の宗派があるなか、
日本の仏教が諸宗派に別れる以前より、善光寺は女人救済を行ってきた


現在 善光寺を運営しているのは天台宗の大勧進

大勧進の住職は貫主(かんす)と呼ばれている
天台宗の名刹の住職から推挙され任命されるそうだ



もうひとつ 浄土宗の大本願

大きな寺院には珍しい尼寺
住職は善光寺上人(せんこうじしょうにん)と呼ばれ、代々公家出身の方が上人になるそうだ


ただ、善光寺 大勧進の小松前貫主はセクハラ&差別発言で騒動(善光寺騒動)を起こした御仁だ

彼のやってきた修行を否定はしないが、善光寺の朝の名物 お数珠頂戴
(参拝者が参道にひざまつき、貫主に頭を垂れ、貫主がその頭を触れてゆく)

自分は一切ありがたいとは思えない

善光寺の貫主のスキャンダルなんて全国ニュースにはならないからな
小松前貫主に頭を触れられた人は気の毒で仕方ない…

ツアーの添乗員も敢えて善光寺のスキャンダルなんて言わないわな

それこそ知らぬが仏だ



長野駅まで続く参道



天台宗は新しい貫主を選び発表した

貫主は長野地裁に提訴し、貫主の地位に戻るために裁判を起こしている

確か今年86になるはずだ

いったいどんな修行をすればこんなに執着することができるんだろう



まあ、貫主と善光寺の御利益は別だし、上人もおわすことだしな


いちおう 自分に関わる全ての人が悲しことがおきても、その悲しみができるだけ小さくなるようにとはお願いしてきた

聞いてくれるかどうかはわからないが…