大正期、三井、三菱の二大財閥に比肩した企業があった
現在も東証1部に名を連ねている、
テイジン
神戸製鋼
アサヒビール
他
数々の企業を傘下に収め、神戸を拠点に世界を相手にした、
鈴木商店
1914年に勃発した第一次世界大戦を機に、鉄鋼、小麦、船舶を投機的に買い、下落すると大方が予想していたこれらは高騰すると読み、戦時景気を利して売りさばき、大きく売り上げを伸ばした
その最盛期には三井物産の年商を超え日本一の商社となった
1918年に大戦は終結
鈴木商店は2年ほど(1920年まで)大戦の余韻が残る中、事業を拡大していった
が、好景気の余韻も長くは続かず、大戦の影響は世界的に長引く不況となり、1923年に持ち株会社制に移行した際、自社資本金1億3千万円に対し借入金が10億を超える債務超過に陥っていた
他の財閥のように機関銀行を持たず、自社株の発行による自己資金の調達をせず、運転資金を台湾銀行に頼っていた鈴木商店は、1927年に世界恐慌に先駆けて起きた昭和金融恐慌で台湾銀行からの新規融資を打ち切られ倒産した
自分はそれと気付かずに通過してしまっていた
神戸の人にとって鈴木商店とはどんな存在なのだろう?
大正年間のおよそ17年
花火のように大輪を広げ、昭和の始まりと共に消えた幻の財閥
歩いている人に聞くわけにもいかんしな…
こんなオシャレな街は自分に似合わん
少し歴史に思いを馳せたところで、出発するとしますか
阪神高速3号神戸線の高架下の道路を東へ、大阪へと向かう
その途中、トイレを借りたコンビニ
ここのお店に働きに来ている人が、自転車のカゴに犬を置いている
このまま大阪市街地を通過して国道25号線に入り奈良県へと向かう
大和川の傍にJR関西本線が25号線と同じく奈良県へと向かっている
道の駅を検索し、車中泊の場所に目星をつけ、王寺で一旦北へと向かい、信貴山(しぎさん)のふもとの道の駅に着いた
続



