彼女を焦らせることなく穏やかに見守る友人とその祖母

ある日、

「ひとりでやってみようか?」

という言葉に、祖母の家の居間(6畳一間)の掃除をやることになった

上から順番にハタキでホコリを落とし、棚に置いてある物は一旦退けてハンドモップ
その後に掃除器をかけ、仕上げに雑巾がけ…
まるで大掃除だ

それを教わったとおり丁寧に、手を抜かずに終わらせる

「うん、良くできました」

その言葉にほっと胸を撫で下ろし、少しの笑顔…

「今度は、1人であの子の部屋を掃除してあげようか」

少し不安そうな表情を浮かべ、

「だ、大丈夫かなぁ…」

おばあちゃんは優しい微笑みを浮かべながら請け負った

「教わったとおりにやれば大丈夫よ」




友人がアパートに帰ると、壊れた食玩と、

「ごめんなさい」

のメモ

彼女は部屋にいなかった


                                                      続